葉酸の1日の必要摂取量は
妊娠前に比べて

妊活中や妊娠初期の女性は、普段に比べて葉酸の必要量が1.8倍にも増えます。


厚生労働省「国民健康・栄養調査(平成29年度)」・
「性・年齢階級別栄養素等摂取量(平成29年度)」・
「妊婦の食事摂取基準」及び文部科学省
「食品データベース」より算出。
葉酸は、妊婦さんにとって摂取してほしい
大事な栄養素。
妊娠超初期、妊娠初期はもちろん、
実は、妊娠前から摂る方がよいことをご存知ですか?
その理由や「葉酸」が多く含まれる
食べ物などをご紹介します。
香川医科大学卒業。大阪警察病院、大阪府立母子保健総合医療センター等を経て、大阪大学医学部博士課程修了。現在は泉州広域母子医療センター長、りんくう総合医療センター産婦人科部長。産科医にしてジャズピアニストでもあり、産婦人科を舞台とした漫画『コウノドリ』(講談社)の主人公のモデルにもなった医師。
葉酸はビタミンB群の一種で代謝に関係し、DNA・RNAやタンパク質の生合成を促進する栄養素。細胞の生産や再生を助けて体の発育に役立ちます。細胞の分裂や成熟にも大きく関わるため、特に胎児にとっては重要な成分です。
葉酸は、妊娠前から十分に摂ることで、お腹の赤ちゃんの脳や脊髄(せきずい)の発達異常である「神経管閉鎖障害」のリスクを減らすことができるとされています。
子宮内の赤ちゃんの脳や脊髄のもととなる神経管に障害が起こる先天異常。神経管は板状のものの両端がくっついて閉鎖し、管状の形ができるのですが、赤ちゃんの成長とともに頭の方は脳、お尻の方は脊髄になります。その一部がうまく閉じないために起こる病気です。神経管の頭側に障害が起こった場合、脳が形成不全となって「無脳症」となり、流産や死産の割合が高くなります。お尻側に障害が起きると「二分脊椎」となり、さまざまな神経障害が起こる可能性が出てきます。
というのも、赤ちゃんの神経系は妊娠初期から作られ、先天異常は妊娠7週間頃までに起きるからです。7週頃というとやっと妊娠がわかる頃なので、妊活中から摂っておくことが大切。また、その後も妊娠後期にかけてきちんと摂り続けることをおすすめします。
葉酸が多く含まれる食べ物は、ほうれん草、モロヘイヤ、アスパラガス、ブロッコリー、枝豆、レバー、いちごなど。通常の生活では、日本人の平均的な摂取状況は十分だといわれています。ただ、妊娠を計画している女性や妊娠中の女性は、必要な量が普段の約1.8倍に。このため厚生労働省でも、食品にプラスしてサプリメントで400マイクログラムの葉酸の摂取を推奨しています。ただしサプリは食品より体内に吸収されやすいため、摂取量を守って上手に利用しましょう。
必要以上にサプリメント等で過剰に摂取すると亜鉛の吸収阻害などを起こす可能性があります。また、ビタミンB12欠乏による神経障害の発見が遅れる危険があります。葉酸自体に毒性はなく、過剰摂取しても、排泄されるため他の水溶性ビタミン と同様に過剰症は問題にならないと言われていますが、 1日の耐容上限量は 30歳~49歳 男性女性ともに1,000μgを超えないことが推奨されています。
通常の食生活で、葉酸が不足・欠乏することはほとんどありませんが、摂取不足状態が続くと造血機能が異常をきたし、巨赤芽球性貧血や、神経障害、腸機能障害などのおそれがあります。また、口内炎、皮膚異常、動脈硬化を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。
妊活中や妊娠初期の女性は、普段に比べて葉酸の必要量が1.8倍にも増えます。
厚生労働省「国民健康・栄養調査(平成29年度)」・
「性・年齢階級別栄養素等摂取量(平成29年度)」・
「妊婦の食事摂取基準」及び文部科学省
「食品データベース」より算出。
健康な体づくりが妊娠につながる妊活中や、妊娠中、特に赤ちゃんの体が活発に形成されていく妊娠超初期、妊娠初期は、葉酸以外にも栄養バランスのとれた食事を心がけたいもの。葉酸以外にも、下記のような栄養素を積極的に摂りましょう。
妊娠中は妊娠前の約3.1倍必要に。血液の材料となり、不足すると貧血気味になります。妊娠中はママから赤ちゃんに血液を通して栄養が送られるため、積極的に補いましょう。鉄分を多く含む食品は、牛肉やアサリ、レバー、納豆、小松菜、ナッツ類、海藻類などです。
エネルギーの代謝に欠かせない栄養素で、慢性的に不足するとママがウェルニッケ脳症という命に関わる脳炎を起こすこともあります。ビタミンB1は豚肉、そば、マダイなど、ビタミンB6はカツオやマグロ、サケなど、ビタミンB2はウナギやブリ、モロヘイヤなど、ビタミンB12はカキやアサリ、サバなど、ナイアシンはたらこやマグロ、鶏胸肉など、パントテン酸は鶏レバーや鶏ささみ肉、納豆などに多く含まれています。
鉄分の吸収を助けます。特に野菜類の鉄分はそのままでは吸収されず、ビタミンCの助けを借りて体に取り込まれます。また細胞と細胞の間を結ぶコラーゲンを作るためにも不可欠で、皮膚や粘膜の健康維持に役立ちます。柑橘類をはじめとする果物や野菜、芋などに多く含まれます。
体内の多数の酵素に含まれ、細胞の成長や分化に関わるミネラル。多くの成人女性が十分に摂れていないといわれる栄養素です。細胞分裂を助け、赤血球作りにも欠かせません。亜鉛はカキや赤身の肉、鶏肉、カニなどの魚介類、豆類、ナッツ類などに含まれています。
赤ちゃんの骨格づくりに不可欠。日本人女性全体に不足しがちな栄養素です。摂取量が足らないと、赤ちゃんに必要なカルシウムがママの骨や歯から取られることになってしまいます。カルシウムを多く含むのは、乳製品や魚介類、大豆製品、ナッツ類、海藻類などです。
妊娠のために、逆に摂ってはいけないものもあります。特に喫煙は「流産率が2倍になる」「早産率が1.5倍になる」「低出生体重児になる」など深刻なリスクがあります。またアルコールは赤ちゃんの脳の発育を阻害する「胎児性アルコール症候群」のリスクを高めることに。さらにカフェインは、摂りすぎると貧血気味になったり、胎盤への影響や出産時の低体重などのリスクがあるといわれています。
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