5〜6ヶ月頃:ゴックン期
食材は何を食べさせる?
量やかたさは?
管理栄養士
中村美穂先生 監修
赤ちゃんが生後5~6ヶ月になったら、そろそろ始めたい離乳食。最初は何を食べさせればいいのか、どんな風に調理すればいいのか、どうやって進めていくのか、初めての離乳食のギモンにわかりやすくお答えします。
監修いただいた先生のご紹介
管理栄養士
中村美穂先生 監修
管理栄養士、料理家、フードコーディネーター、国際薬膳調理師、プラントベースフードアドバイザー。保育園栄養士として乳幼児の食事作りや食育活動、地域の子育て支援事業に携わる。2009年に独立し、料理教室を開催。離乳食教室、食育講座の講師のほか、書籍・雑誌・WEB記事、生協カタログ等へのレシピ提供、監修を多数担当。著書・監修に『きちんとかんたん離乳食』『365日マネするだけ離乳食 離乳食はこの1冊でまるごと解決!』など。
オフィシャルサイトはコチラ 離乳食の初期は、
どんな食べ物が食べられるの?
最初は何を食べさせるの?
まずは消化のよい10倍がゆを食べさせることから始めます。最初は小さじ1からと、ほんの少しずつしか食べさせられないので、10倍がゆは少し多めに作って製氷皿などで小分けにして冷凍ストックしておくと手間が省けます。ストックは1週間ほどで使い切りましょう。
10倍がゆの作り方
- 【材料(作りやすい分量)】
-
- 炊いたご飯…40g
- 水…250ml
- 【作り方】
-
- ①深めの鍋にご飯と水を入れ、ヘラなどでご飯をバラバラにほぐす。
- ②強火にかけ、煮立ったら弱火でふたをして15~20分煮る。焦げ付かないようときどきヘラで底から混ぜる。
- ③火を止めてふたをしたまま15~20分蒸らす。
- ④粗熱が取れたらざるなどを使って裏ごしし、なめらかな食感にする。
- ※米から炊く場合は、まず米をといでから米:水=1:10の量を鍋に入れ、②の煮る工程を40分にします。
離乳食初期(5~6ヶ月頃)の
進め方は?量や種類は
どうやって増やしていくの?
離乳食をあげるタイミングは午前中の授乳の時間。小さじ1杯分を数回に分けて少しずつ食べさせましょう。午前中にあげるのは、体調に異常が起きたときに病院を受診できるようにするためです。その後、体調やうんちの様子を見て特に問題がなければ、次の日から小さじ1ずつ増やしていきます。3日目あたりからは野菜ペースト、1ヶ月後頃からはたんぱく質にも挑戦しましょう。
1日のタイムスケジュール(例)
- 6~7時頃
-
授乳
- 10時頃
-
授乳 + 離乳食
離乳食開始後
1ヵ月までは
このタイミングに
離乳食もプラス - 14〜15時頃
-
授乳
- 18時頃
-
授乳
- 22時頃
-
授乳
離乳食をはじめて1ヶ月がたったら
- 6~7時頃
-
授乳
- 10時頃
-
授乳 + 離乳食
- 14〜15時頃
-
授乳
- 18時頃
-
授乳 + 離乳食
1ヵ月経ったら
このタイミングに
2回目の離乳食を - 22時頃
-
授乳
主食(炭水化物)は何が食べられる?
量ややわらかさは?味つけは?
後半1ヶ月は
離乳食初期の炭水化物は、10倍がゆから始め、後半になるとうどんがゆやパンがゆも食べさせられます。すりつぶすか裏ごしをしてなめらかにし、ごくんと飲み込めるようにしましょう。赤ちゃんの様子を見ながら徐々に水分を減らし、後半にはヨーグルトぐらいのかたさになるようにします。いずれの食材も量は小さじ1から始め、様子を見て1さじずつ増やします。味つけはまだしません。
量の目安(最初に与える量~後半の量)
10倍がゆ小さじ1~大さじ4
または
うどんがゆ小さじ1~15g
または
パンがゆ小さじ1~8枚切り1/4枚
※分量は目安です。個人差があるので
量はお子様に合わせて調整してください。
パンがゆの作り方
- 【材料(作りやすい分量)】
-
- 8枚切りの食パン…1/6枚
- 水…大さじ3
- 【作り方】
-
- ①食パンの耳を落とし、1cm角に切る。
鍋に入れて水を加える。 - ②弱火で食パンがやわらかくなるまで煮て、すり鉢に入れてすりつぶす。
- ①食パンの耳を落とし、1cm角に切る。
うどんがゆの作り方
- 【材料(作りやすい分量)】
-
- 無塩のゆでうどん…15g
- ゆで汁…大さじ2
- 【作り方】
-
- ①うどんを3cmの長さに切り、鍋にたっぷりの水(分量外)と入れて強火にかける。
- ②沸騰したら弱火でふたをし、やわらかくとろとろになるまで10~20分ゆでる。
- ③うどんをざるに上げてゆで汁はわけておく。
うどんをみじん切りにして裏ごしし、ゆで汁でのばしてなめらかにする。
おかず(主菜・たんぱく質)は
何が食べられる?
量ややわらかさ、味つけは?
後半1ヶ月は
離乳食初期に赤ちゃんにあげてもいいたんぱく質は、前半はしらすや豆腐、卵黄や白身魚。後半になると、ヨーグルトも食べさせられます。豆腐、白身魚やしらすはゆでるか、少し水を加えてレンジで加熱し、すりつぶしてお湯を加えてとろとろにしましょう。卵黄は固ゆでにしたゆで卵から黄身だけを取り外してすりつぶし、お湯を加えてとろとろに。ヨーグルトは無糖のものをそのまま食べさせられます。いずれも味つけはせず、慣れてきたら少しずつ水分を減らしていきます。
量の目安(最初に与える量~後半の量)
豆腐10g~25g
または
卵黄耳かき1杯分~小さじ1
または
白身魚3g~10g
※分量は目安です。個人差があるので
量はお子様に合わせて調整してください。
副菜(野菜・果物)は
何が食べられる?
量ややわらかさ、味つけは?
後半1ヶ月は
離乳食初期に赤ちゃんにあげてもいい野菜・果物は、前半はにんじんやかぼちゃ、ほうれん草やブロッコリー。後半になるとプラスしてバナナ、りんご、みかんなどの果物も食べさせられます。野菜は火が通りやすい大きさに切ってからやわらかくゆで、すりつぶしてゆで汁でのばしてとろとろにします。ざらつきが気になる場合は裏ごししましょう。バナナは刻んですりつぶし、りんごはすりおろして果汁をしぼるかゆでてすりつぶし、みかんは薄皮まで取り除いてすりつぶします。いずれも最後はお湯でのばしてとろとろの食感にしましょう。味つけはせず、慣れてきたら少しずつ水分を減らしていきます。
量の目安(最初に与える量~後半の量)
にんじん5g~10g
または
かぼちゃ5g~10g
または
ほうれん草5g~10g
(後半は+バナナなど10gほど)
※分量は目安です。個人差があるので
量はお子様に合わせて調整してください。
離乳食初期の頃の食べさせ方は?
赤ちゃんは抱っこ?お座り?
最初はまだお座りが安定していないので、抱っこして食べさせてあげるか、バウンサーや背もたれのあるベビーラックなどに座らせて食べさせてあげるといいでしょう。食べさせ方のコツは次の通りです。
離乳食初期 (5~6ヶ月頃)の食べさせ方のポイント
-
赤ちゃんの下唇にスプーンを
ちょんと軽く当て、
口を開けるのを待つ。 -
スプーンは舌と
並行になるように差し出し、
口の中に押し込まないようにする。 -
赤ちゃんがスプーンを
くわえて食べ物をとりこんだら、
そっと水平にスプーンを抜く。
これはNG!
気をつけて。
- 一度にあげすぎない。
-
一度にたくさんあげすぎたり、間をおかずに次々と与えたりすると、うまく飲みこめないでの気をつけましょう。
- 口の奥にいれない。
-
口の奥にいれたり、上あごにこすりつけたりすると、自分で口を閉じられなくなります。気をつけましょう。
COLUMN
先輩ママ1,724人に
聞きました!
離乳食を食べないときに
工夫したことは?
赤ちゃんが離乳食を食べてくれなくて困ったことがある人は約6割。先輩ママ・パパは声かけをしたり、食感や食材を変えてみたり、いろいろ工夫をしたという声が。嫌がる理由はさまざまなので、どうしても食べてくれなくても焦りすぎず、リラックスして赤ちゃんのペースを大切にしてあげましょう。
離乳食を食べずに困ったことは
ありますか?
回答者数=1,724
食べさせるために工夫した
ことは?
-
おいしいねーなど、
積極的に声をかけた…1,015人
-
食材やメニューを変えた
…985人
-
市販の離乳食をあげた
…664人
その他の回答
-
4位 食感をやわらかくした
…553人
-
5位 食べる様子を見せた
…531人
-
6位 赤ちゃんが
食べたくなるまで待った…530人
-
7位 スプーンや食器を変えた
…291人
-
8位 ミルクを混ぜてみた
…232人
-
9位 食事の環境を変えた
…194人
-
10位 食べさせる時間を変えた
…184人
回答者数=5,403件
COLUMN
離乳食初期・ゴックン期
(5〜6ヶ月頃)の おすすめ離乳食レシピ
離乳食初期(5〜6ヶ月頃)前半
- 【材料(作りやすい分量)】
-
- じゃがいも…15g(厚さ5mmの輪切り1枚)
- ブロッコリー(つぼみの部分)…10g(小房1個)
- お湯…適量
- 【作り方】
-
- ①じゃがいもはいちょう切りに、ブロッコリーは粗みじん切りにする。
- ②鍋にじゃがいもとたっぷりの水を入れ、形が少し崩れるぐらいまでゆでてから取り出す
(ゆで汁は捨てない)。 - ③②の鍋にブロッコリーを入れ、やわらかくなるまでゆでたらざるに上げる。
- ④②のじゃがいもをすりつぶし、とろとろになるまでお湯でのばし、お皿に盛りつける。
- ⑤④のじゃがいもが残っているすり鉢で、③のブロッコリーをすりつぶす(じゃがいものとろみを利用するため)。
とろとろになるまでお湯でのばし、盛りつける。
離乳食初期(5〜6ヶ月頃)後半
- 【材料(作りやすい分量)】
-
- 食パン(8枚切り・耳なし)…1/6枚~1/4枚
- プチトマト…1個
- 白身魚の刺身(かれい、真鯛など)…5g(1切れ)
- 白菜(葉先)…10g(10cm四方)
- A水…大さじ1
- A片栗粉…小さじ1/8
- 【作り方】
-
- ①耐熱容器にAを入れて混ぜ、ラップせずにレンジで20秒加熱。取り出してよく混ぜておく。
- ②鍋に水(分量外)を入れ、沸騰したら白菜をちぎって入れ、やわらかくゆでて取り出す(ゆで汁は捨てない)。
- ③②の鍋にヘタを取ったプチトマトを入れ、サッとゆでて取り出す。続けて白身魚も入れてゆで、
ざるに上げて水気を切る。 - ④すり鉢で②の白菜をすりつぶし、①を小さじ1ほど混ぜてとろとろにし、お皿に盛りつける。
- ⑤③の白身魚をすり鉢ですりつぶし、残りの①を加えてとろとろにし、お皿に盛りつける。
- ⑥耐熱容器に、1cm角に切った食パンと水大さじ3(分量外)を入れて混ぜ、ふんわりラップをかけてレンジで30秒加熱。
すりつぶす。 - ⑦③のプチトマトの皮をむき、半分に切って種と芯を除く。すり鉢ですりつぶして⑥の上にのせる。
- レシピ出典
- きちんとかんたん離乳食
- 著者
- 管理栄養士 中村美穂先生
- 出版社
- 赤ちゃんとママ社
離乳食初期(5〜6ヶ月頃)に関する
-
離乳食はほしがるだけ
あげていい?
母乳・ミルクとの
バランスは? -
食べさせ過ぎは禁物。
栄養のメインは
母乳やミルク。離乳食初期は消化器官が未熟なので、胃腸に負担をかけないことを心がけましょう。この時期の栄養のメインはまだミルク・母乳なので、離乳食でお腹がいっぱいになってしまうと栄養不足になってしまう恐れもあります。
-
赤ちゃんが食べて
くれないときは
どうしたらいい? -
栄養はとれているから
大丈夫。食感などを
工夫してみて。栄養はミルクや母乳からとっているので、最初は食べてくれなくても焦らなくて大丈夫。ママ・パパがリラックスして声をかけてあげたり、食材を変えてみたり、やわらかさを変えてみると食べてくれることもあります。
-
体が標準より大きいけど、
早めに離乳食を
始めてもいい? -
生後5ヶ月に
なるまではNG。体が大きい赤ちゃんでも、5ヶ月未満ではまだ消化器官が十分に発達していないので、胃腸に負担がかかってしまうことに。生後5ヶ月になって、離乳食をスタートするのにいいサインが現れてからにしましょう。
-
離乳食を始めたら
うんちがゆるゆるに
なっちゃった。
お腹を壊した? -
よくあることなので、
元気そうなら問題なし。機嫌がよく食欲があるなら問題なし。離乳食を始めると腸内細菌のバランスが変わり、便の状態が変わります。この頃は消化器官が未熟なので、下痢を起こすこともあります。下痢が続いたり、機嫌が悪く食欲がないようなら病院を受診しましょう。
-
昼間は離乳食を
作る余裕がない!
夜食べさせてもいい? -
あまり遅くならないよう
注意して。離乳食はアレルギーなどの症状が出たとき受診できるよう、午前中にあげるのが理想的ですが、家庭の都合によっては午後でも大丈夫。ただ、夜遅いと消化器官に負担がかかるので、遅くても夜7時までには食べさせてあげましょう。
-
肌が弱いみたいだけど
アレルギー?
卵などを食べさせても
大丈夫? -
両親のアレルギーを
チェック。皮膚トラブルは
アレルギーと
関係ないことも。赤ちゃんは肌が弱いものであり、皮膚トラブルとアレルギーは関係がないこともあります。両親にアレルギーがなければ、ひとまず通常通り離乳食を進めてもよいでしょう。たんぱく質はアレルゲンの少ない豆腐や白身魚などから、少しずつ始めていきましょう。
-
ベビーフードは
初期からあげていい? -
月齢に合ったものを
選べば大丈夫。月齢に合ったものであれば、初期からベビーフードをあげても問題ありません。味つけややわらかさなど、離乳食作りの参考にも活用してください。余ってしまう場合は、先に食べる分だけよけて別の容器で冷凍・冷蔵保存するといいでしょう。
COLUMN
手作りを頑張りすぎなくても大丈夫! ベビーフードで
ラクするヒント
頑張って手作りしているのに赤ちゃんが食べてくれないと、離乳食作りに疲れてしまうことも。また、レシピだけではどんなやわらかさや味が正解なのかわからないこともあります。そんなときはベビーフードを活用してみましょう。
離乳食初期は、フリーズドライ・フレークタイプのおかゆや食材などが便利。常温で保存でき、量も調整しやすく、お湯を加えるだけですぐ食べられます。他の食材と混ぜて、アレンジメニューにも使えます。