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アカチャンホンポの人とストア

2025.3.26

Store

思い出も未来へ。
素材に生まれ変わる
ほ乳びんのその先。

赤ちゃんが生まれて、必要となるモノのひとつがほ乳びん。出産した人の約9割が持っているという調査結果もあり、サイズや素材違いで3〜4本程度揃える人も多いよう。外出先にも手放せないほ乳びんは、離乳食がはじまると使う頻度が減っていき、1年もすればほとんど使わないモノに…。 この不要になったほ乳びんを回収して、資源リサイクルしているのがピジョン株式会社とアカチャンホンポ共同の取り組み。なぜこのような活動を行うことになったのかを、両社の担当者に聞いた。

ピジョン社阿南さん、田野辺さん、赤ちゃん本舗上田さん、谷野さん

People in the story

左よりピジョン社
阿南さん、田野辺さん
赤ちゃん本舗
上田さん、谷野さん

作って販売するだけでなく
「回収する」ことも
私たちの責任。

はじまりは、ピジョン社からの提案だった。不要になったほ乳びんの回収活動のため、回収BOXを店舗に設置してほしいとの依頼内容。「一緒にこの活動に取り組んでいただくのは、子育て企業であるアカチャンホンポ以外には考えられなかった」と振り返る阿南さんと田野辺さん。 この件の担当となった谷野さん、上田さんも「ぜひ」と即答し、まずは実験として関東圏の10店舗でスタートすることに。

ほ乳びん回収ボックス

回収BOXの設置から集まったほ乳びんの発送まで、オペレーション確認のための実験は店舗スタッフの協力によってスムーズに進んだ。「日本だけでなく、世界でも有数のほ乳びんを販売しているという自負が私たちにはあります。そのため、回収を行うことも当然の責務であると皆が自覚していたのだと思います」と谷野さん。 大々的なPR活動をしていなかったのにも関わらず、回収数は右肩上がりに増加。SNSでも話題になり「関東以外でも受け付けてほしい」という要望が届き始めた。

さらに「長年捨てずに残していたが、捨てるのではなく何かのためになるなら参加したい」、「10年前のほ乳びんを持ってきました」というお声や、九州からわざわざ送ってくださった方も。 「私たちが集めているのは、それぞれの家庭にある“育児の思い出”なのだと気づきました」と阿南さん。使い込まれた一つひとつのほ乳びんが語る育児の確かな時間。単なる回収ではなくコミュニケーション活動として拡大していこうと皆の思いが一致した。

ほ乳びんの素材を使って
マタニティマークに。
「育児のバトン」を体現。

実験開始から約半年が経ち、回収活動を全店舗での実施に拡大。どの店舗にも設置しやすいよう小型化したBOXに集まったほ乳びんは、ピジョン社の物流センターへ配送される。ここでまず行われるのは手作業での分別で、その後リサイクル業者へ。 「ほ乳びんの本体素材はガラスとプラスチックですが、プラスチックは機能の異なる3種類の素材が使用されています。素材ごとに分けるのは手作業で行い、弊社のスタッフが定期的に分別作業を行っています」と田野辺さん。この回収活動の対象がピジョン製品のみなのは、責任をもって分別するためであることがよくわかる。

パーツごとに分別されたほ乳びん

そして2024年6月、回収数が17,000本を達成したことを記念して、「哺乳びんリサイクルでつなぐ育児のバトン」イベントを共催。回収活動はもちろん、リサイクルした素材でマタニティマークを作るワークショップを行い、大雨にも関わらずたくさんの方に来場いただいた。

「哺乳びんリサイクルでつなぐ育児のバトン」イベント風景
粉砕された色とりどりのほ乳びんのキャップ
ほ乳びんの素材を使って作られたマタニティマーク

マタニティマークの素材には、ほ乳びんのキャップのカラーを阿南さんたちが選別。仕上がりのイメージを左右することから、他にないシックな印象のカラーを選りすぐった。

来場者は主に成長したお子さま連れのご家族や、マタニティの方々など。皆さんから集まったほ乳びんが、これから生まれる子どものためのマタニティマークになることで、「育児のバトン」を全員が実感できたと言う。「実際に皆さんとお話しできて、思い出としてのほ乳びんの存在が家庭ごとにあることをより強く感じました」と上田さん。 「ほ乳びんは育児を共に戦った戦友のようなものと考えている方も」と話すママもいたそうで、この思いを受け止めてこれから生まれる赤ちゃんのため、未来のためにバトンをつなぐという使命を皆で胸に刻んだ。

ワークショップ風景

ほ乳びんの素材を
生まれくる赤ちゃんへ。
この循環をこれからも。

他の育児アイテムにも
再生して、この活動を。
さらに発展させていく。

現在もすべての店舗で回収活動を継続中。プラスチック製はプランターやパレットなどの素材として再利用され、ガラス製はほ乳びんへの再生も行われている。「できるだけ育児に関するアイテムに再生できるよう、さまざまな部署と連携しながらこの活動を発展させていきたい」と語る阿南さん。 谷野さんと上田さんも社内の理解と協力をさらに高めて、アカチャンホンポを代表するサステナブル活動として進化させたいと話す。赤ちゃんの生命を育んできたほ乳びんが、その形を変えて素材としてまた生命をつないでいくこの活動。一人ひとりの成長の証を預かり、未来につなぐという意味でも、今後も長く続いていくことが望まれる。

左よりピジョン社 田野辺さん、阿南さん、赤ちゃん本舗 上田さん、谷野さん
ほ乳びん回収ボックス

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