食物アレルギーをもつ子どもが増加傾向にあると言われている。親にとって、「食べてはいけないもの」が生活にもたらす負担と不安は計り知れない。 アカチャンホンポではいち早くアレルギー配慮の離乳食を取りそろえ、わかりやすく、選びやすい売場をつくるとともに、商品を拡充させてきた。 子どもの成長に関わる「食」を担うアレルギー配慮食品の今について、担当バイヤーである山﨑さんに思いを聞いた。
アカチャンホンポの人とストア
2023.8.10
Store
おいしさを我慢させない。
「安心」だけじゃない
アレルギー配慮
食品売場の今。
People in the story
山﨑さん
一つひとつ、原材料を確認して
商品を選ぶお客さまの姿から
専門コーナーの設置に。
現在、卵、乳、小麦、えび、かに、落花生、そば(※1)の7品目は、アレルギー物質の特定原材料として容器包装された加工食品での表示が義務づけられている。 アカチャンホンポではアレルギー配慮の離乳食を約15年前から取りそろえ、子どもの食物アレルギーに悩む親の思いに応えてきた。山﨑さんが知る限り、「アレルギー配慮の離乳食はまだ珍しく、どこよりも早い対応だった」のだそう。
そこには山﨑さんたち食品担当バイヤーがその目で見てきた忘れられない光景が理由にあった。「食物アレルギーをもつ子どもの親は、商品を一つひとつ手に取っては、裏面に記載されている原材料をじっくりと確認されます。 これだけ商品がある中から間違わないようにと気をつけ、自分の子どもに合う商品を選ぶのは本当に大変。そのため、少しでもスムーズに選んでもらえるようにと、月齢や年齢を問わないアレルギー配慮単独のコーナーをつくりました」。
食物アレルギーをもつ子どもが増えるとともに、各メーカーがつくるアレルギー配慮の商品も増えていく。「このお菓子しか食べられない」という状況があることを考慮し、できるだけ取り扱いを止めないように努め、商品の拡充を続けてきた。わざわざ遠方から店舗に通われるお客さまもいると言う。 毎日手作りで食事を用意する大変さ、外出先での飲食の苦労。家族の毎日にとって欠かせないアレルギー配慮の離乳食や食品について「日本でトップクラスの品揃えだと自負している」と胸を張る。
メーカーに足を運び、試食。
安全性だけでなく味わいも
選定の基準。
アレルギー配慮食品の売場は、よりお客さまに情報が伝わるよう、商品の近くに特定原材料7品目不使用であることを伝えるPOPを採用するなどわかりやすさを強化。 さらに、離乳食だけでなく2歳以上の子どもにも対応したアレルギー配慮の食品やお菓子、調味料などを幅広く揃えている。そのこだわりは商品数だけでなく「おいしさ」にも。
「試食を必ずして、味わいの基準を満たさないものは取り扱いしないと決めています。アレルギー配慮の食品だからといって、子どもに食事の楽しさやおいしさを我慢させたくないですから」。 そのため小さな食品メーカーにも足を運び、商品に込めたこだわりを聞き、自分で味わって取り扱いを判断。この積み重ねが今のアレルギー配慮食品の売場につながっている。 「大人用のレトルト食品でも、子どもに与えられるものが増えています。ぜひ私たちの選択眼を信じて試していただきたいです」。
子どもに食事の楽しさやおいしさを
我慢させたくない。
家族の時間をつくるために。
手間と苦労を省くことのできる
食品を活用してほしい。
市販の離乳食やレトルト食品を使うことは、ともすると罪の意識につながるとも言われているが、「それは違う」と山﨑さんは断言する。 共働きが増え、家事の時間がなかなか取れない中、食材や調味料の一つひとつに注意を払って食事を作り上げる時間と手間を思えば「このような商品を使うことでできた時間を子どもと一緒に過ごしてもらいたいですし、しっかりと栄養をとれる安心も感じてもらいたい」と言う。 もっと幅広い年代の子どもに向けたアレルギー配慮商品を、もっと食のおいしさと手軽さを提供していくと決意している山﨑さんは、食品の可能性を誰よりも信じている。
おいしさにもこだわった
離乳食や食品をどうぞ。