1歳になるまでの子どものお着替え。おむつ替えだけでも頻繁なのに、ミルクの吐き戻しなどによって1日に何度も肌着を脱がせて着せて…。 この着替えにかかる毎日の「手間」に目を向けて、開発されたのがパパッとらくちんロンパース。その名が表す通り、スナップの多いロンパースの着替えの手間に挑んだ開発担当の小林さんと、井上さんに話を聞いた。

アカチャンホンポの商品
2025.5.26
1歳になるまでの子どものお着替え。おむつ替えだけでも頻繁なのに、ミルクの吐き戻しなどによって1日に何度も肌着を脱がせて着せて…。 この着替えにかかる毎日の「手間」に目を向けて、開発されたのがパパッとらくちんロンパース。その名が表す通り、スナップの多いロンパースの着替えの手間に挑んだ開発担当の小林さんと、井上さんに話を聞いた。
はじまりは、小林さんが2人目の育児休業中のことだった。生後間もない頃はミルクの吐き戻しだけでなく、うんちがゆるくて漏れやすいことから、1日で3〜4回ほど肌着を着替えさせる日がある。さらに、動きが活発になる10ヵ月頃からは、追いかけて動きを止め、ぐずる子どもに着替えをさせることが増えていった。 日々積もっていく小さなイライラに、「もっとラクに着替えさせられるロンパースがあれば」と可能性を見出した。
バイヤーとして復帰後、ロンパースのお着替え状況を確かめるため、会員さまを対象としたアンケートやインタビューを実施。その結果わかったのは、お着替えの8〜9割はママが行っていること。そしてパパが担当したときはスナップを留め間違えている、あるいは留めずに放置されていることが多いという実態。 自身が手間だなと感じた気持ちと子育て中のママ・パパの状況が重なり、小林さんは「ラクに着せられて時短もかなうロンパース」の開発に目標を定めた。
最もこだわったのが、生後6ヵ月以降を対象としたかぶりタイプ。動き回る子どもでもサッと着せられ、股スナップを留めるだけというかつてない2ステップを実現すると決め、仕様の検討に取り組んだ。 後ろから追いかける状況でも着せられるようにするには、襟ぐりが大きく開き、前後を気にせず頭からでも、足元からでも着せられることが必須。パジャマの開発経験を生かして試作したところ…
「首まわりのギャザーに厚みが出すぎて、肌着として成り立たないものに。そこでギャザーの分量を減らし、最終的にゴムを細いものに変更しました」。この他、足元からの着脱については下から脱がせる際に引っかかりにくく、スムーズに下ろせるよう裾を広めに調節。 今までにない商品を作るには、細やかな調節を重ねて最適解を見つけるしかない。こうして試作品をモニターに着用してもらったところ、思わぬ反応が返ってきた。
それは、吐き戻しやおむつ漏れでロンパースが汚れても、下にサッと脱がせられるので顔につく心配がないという喜びの声。「上下どちらからでも着せられる」だけでなく、「脱がすときも汚れが顔につかない」という新しい商品価値が生まれた瞬間だった。
そしてもう1点、大きく変更したのがお着替えの困りごととして多かった、スナップボタンの数。 生後3ヵ月頃から使える前開きタイプのロンパースは特にスナップが多いため、胸元のスナップを1つ減らして色を合わせて留めやすくし、股部分は前開きもかぶりも従来の2つから1つに減らした。
合わせるスナップを色で直感的に認識できる工夫で留め間違いのイライラを軽減。
初めは片手で留める仕様を目指したが、合わせ部分が開いたり、抱っこで外れてしまうことも。「お腹が冷えないというロンパースの価値を損なわないように、1つのスナップでも外れにくい生地の合わせ方を設計しました」。 ロンパースの概念を変えて、毎日のお世話の手間とイライラを少しでも減らしたいという小林さんの思いは、商品の完成とともに実りを結んだ。
股部分のスナップボタンを1つに減らすため前開きタイプは左右を重ね合わせる仕様に。
店舗スタッフ向けに商品説明を行った際のこと。「ロンパースの概念を覆すまったく新しい仕様に、驚きと期待の声が上がった」と話すのは、井上さん。
「このロンパースならスナップを1つ留めるだけなのでパパも簡単に着替えさせることができ、育児をより快適にできる自信があります。まったく新しいロンパースであることをしっかりと伝えていきたい」と意気込みを語る。
「ロンパースとはこういうもの」という思い込みから離れることは、決してたやすいことではない。スナップボタンを一つ減らすだけでも重ねた工夫は計り知れない。 「まだできることがある」と信じ切ることが、新しい価値を生み、毎日の子育ての負荷を減らす原動力となっている。
#14
People in the story
井上さん(写真左)
小林さん(写真右)
Products
パパッとらくちんロンパース
「前開き」と「かぶり」
月齢に合わせて選べる
2タイプ