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アカチャンホンポの商品

#05

2023.9.1

安心からはじまる、
雨の日の楽しいおでかけ。

フチまる傘

子ども用の傘の対象年齢は2歳頃からが一般的。しかしその年齢ではまだ傘を上手に扱えず、おもちゃのように振り回して遊んでしまうことも…。 アカチャンホンポが開発した「フチまる傘」は、とがったつゆ先がない安心設計で、子どもが初めて持つ傘として広く支持されている。小さな子どもが持つ傘にどのような工夫を盛り込んだのか、バイヤーの土井さんに聞いた。

尖った先端をなくす。
“普通”を疑うことから
生まれたアイデア。

一般的な傘は、1本1本のホネの先にキャップのような“つゆ先”と呼ばれるパーツをつけ、生地とホネを固定している。子どもの思わぬ扱いでつゆ先が外れるとホネが飛び出してしまうため、アカチャンホンポではこの対策を模索していた。 そんな中、お客さまから「ホネがつゆ先から抜けて飛び出した」とのご意見が届く。早速、当時の担当バイヤーが取り組んだのは「つゆ先のない仕様にできないか?」という逆転の発想だった。

つゆ先をなくすという常識を覆すためには、ホネと生地を固定する方法を新たに改良しなくてはならない。そこでホネの先に生地を被せ、縫い付けて固定する構造を考案。 こうすると、つゆ先が抜けてホネの先が飛び出すリスクが格段に下がるとともに、ホネの先端の尖った部分をなくすことができるのだ。

つゆ先をなくすために改良。ホネの先に生地を被せ、縫い付けて固定する構造。

子どもの使いやすさと安全性を高めるため、ホネの素材は子どもに適した軽くて丈夫なグラスファイバーを選び、生地部分にはビニールの小窓を付けて視界を確保。 ベルトを太めにしたのも、子どもの小さな手によるつかみやすさへの配慮から。開閉方法も、プッシュ式では反動から身体を支えられないこともあるため、あえて手開き式にこだわった。

プッシュ式では反動から身体を支えられないこともあるため、あえて手開き式というこだわり

太めのベルトは、内側に名前が書けるタグ付き。

こうして完成した「フチまる傘」は、自社基準を満たした安心設計の傘として2019年に販売をスタート。翌年にはキッズデザイン賞を受賞するなど、子ども用の傘として認知を広げていく。

安全性の向上に欠かせない
透明面の拡大を
仕様を変えて実現。

「フチまる傘」の担当を2021年から引き継いだ土井さんは、さらなる改良に取り組む。「もっと安全な傘を作りたい」との思いにメーカー側も応え、共同による検討が進んだ。

子どもの安全性を考えると、透明のビニール面による視界の拡大が必須になるものの、現状の生地とホネの先を縫い付けて保護する方法では不可能。 そこで、生地をホネに留める箇所を増やす方法を開発し、念願の透明面拡大の実現にこぎつけた。

フチまる傘(左)現行品(右)改良前。細部の改良で小窓を拡大し、視界の拡大を実現。

左が現行品。細部の改良によって、小窓を一回り以上拡大することができた。

サイズにも目を向ける。これまでは2歳以降を対象とした一般的な40cm・45cmの展開だったが、「1歳半頃を過ぎて歩けるようになると、大人のまねをして傘を持ちたがる子どもも多く、自分の傘がほしい、自分も傘をさしてお出かけしたいという気持ちに応えたくて、一回り小さい35cmを加えることにしました」。

雨の日を楽しみに変える
デザインとコーディネート。

2023年にはより視界が広い全面ビニールタイプが登場。また、同じデザインで揃えられるレインコートとレインシューズも登場した。 全身でコーディネートできれば“自分だけのもの”という喜びとともに、「早く使いたい」と雨の日が待ち遠しくなる。そんな日常の特別な時間につなげたかったと土井さんは話す。

危ないから持たせないのではなく、安全だから持たせたいと親が感じられる傘を。その思いで今も改良を続けているフチまる傘。雨の日のお出かけを子どもが楽しめると、一緒に外出する大人にとっても手間がかからず楽しい時間になる。 「子どもが傘を持ってどんな動きをするかを考え、仕様によって危険性を防ぐことができるなら、どんな些細な改良にも取り組んでいきたい」と話す土井さん。雨の日を晴れやかな気分に変えている理由は、この粘り強い姿勢にあるのだろう。

土井さん

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