妊娠中・子育て中の5,172人に聞きました

子育て世帯は
「住む地域」を
見直している
それでも約7割は
住み替えに進まず

妊娠中・子育て中の5,172人に聞きました 子育て世帯は「住む地域」を見直している それでも約7割は住み替えに進まず

妊娠・出産をきっかけに変わるのは、家族構成だけではありません。
住まいの広さ、保育園、医療、通勤、親族との距離などによって、これまで暮らしてきたや住まいを見直す人も少なくありません。
今回、妊娠中・子育て中の5,172人を対象に調査したところ、66.0%が「住む地域を考えたことがある、または実際に住み替えた」と回答しました。
一方、現在具体的に検討している人を除くと、見直し・関心あり層の67.8%は実際の住み替えには進んでいません。
こういった実態にはどのような背景があるのでしょうか。

住む地域を見直した・考えた66.0% 見直し経験があるも、住み替えはしなかった67.8% まとまった地域情報を参考にしたい79.8%

01. 住み替え検討は妊娠中から始まり、1〜3歳で実行に移りやすい

Q 妊娠・出産・子育てをきっかけに、住む地域を見直すことを考えたことはありますか(n=5,172)

Q 妊娠・出産・子育てをきっかけに、住む地域を見直すことを考えたことはありますか

住む地域を見直した経験・関心がある人は合計66.0%にのぼりました。
また、現在具体的に検討している人は13.6%、実際に住み替えた人は16.9%です。
関心は大きい一方、比較・相談・行動まで進むには段差があります。

お子さまの年齢(末子)別

住み替えを具体的に検討するタイミングは、妊娠中がもっとも高く、実際に住み替えたり、住み替えをやめたりすることで年齢を追うごとにその割合は少なくなっていきます。
実際に住み替えをするタイミングは3歳までがピークで、以降子どもが小さいうちの住み替えは少なくなっていきます。
子育てのしやすさや支援をアピールするには、なるべく早いタイミングがよさそうですね。

02. 住み替え検討の入口は「第一子・賃貸・出産前後」

Q 「現在、具体的に検討している」回答者 n=703 の人物像

Q 「現在、具体的に検討している」回答者の人物像

具体検討層では、末子が妊娠中〜0歳の世帯が71.6%を占めています。さらに、子ども1人と推計される世帯が79.1%、賃貸の集合住宅に住む世帯が77.1%でした。具体的な住み替え検討は、第一子期とみられる出産前後の賃貸世帯に多くみられます。
子どもが大きくなって住まいが狭くなってからではなく、出産前後から地域比較が始まっています。

03. 見直すきっかけは住宅、動けない理由は費用

Q 住む地域を見直したきっかけ(n=3,412) / Q 住み替えが具体化していない理由(n=3,596)

Q 住む地域を見直したきっかけ/Q 住み替えが具体化していない理由

住宅の広さ・間取り、持ち家購入、子どもの成長が上位に並ぶため、地域見直しの入口は住まいの条件から始まりやすいようです。
一方、具体化していない理由では「住み替えにお金がかかる」30.8%(n=3,596)が上位です。
さらに、実際に住み替えた873人のうち43.8%は同じ市区町村内で移動しており、移住というより暮らしの条件を近場で調整する動きも見えます。

こんなお声もいただきました

04. 選ばれる街は、まず「子育て支援」が見える街

Q 子育てをしながら暮らす地域として、重視すること(n=5,172)

Q 子育てをしながら暮らす地域として、重視すること

地域選びで最も多く選ばれたのは「子育て支援制度」70.3%(n=5,172)。
ただし、選ばれる支援は給付金だけではなく、保育園・幼稚園、医療費助成など、日々の安心に直結する内容です。
あわせて住宅購入補助59.5%、家賃補助57.2%、引っ越し費用補助56.8%も半数を超えており、子育て支援と住まいを一緒に見せることが重要です。

05. 約8割が求める、支援をまとめて比べられる情報

Q 地域情報がまとまっていた場合、住む地域を選ぶ際に役立つと思いますか

Q 地域情報がまとまっていた場合、住む地域を選ぶ際に役立つと思いますか

まとまった地域情報を参考にしたい人は79.8%(n=5,172)。
理由を見ると、保育・医療・遊び場をまとめて確認できる57.5%、情報を探す手間が減る51.9%(n=4,128)が上位でした。
制度一覧だけでなく、申請・相談先まで一つの入口で見えることが比較のしやすさにつながります。

06. 都道府県別データから見えた、4つの住み替えパターン

“移住先人気”ではなく、現在住んでいる地域で起きている住み替えの傾向

※この分析は、都道府県の優劣や「移住先としての人気」を示すものではありません。
現在その地域に住んでいる子育て世帯が、妊娠・出産・子育てをきっかけに、住む地域をどのように見直したかを整理したものです。

都道府県別に見ると、子育て期の地域見直しは、単に「多い・少ない」だけでは捉えきれません。
実際に住み替えた割合や、住み替え先が同じ市区町村内なのか、近隣市区町村なのか、都道府県をまたぐのかによって、背景は大きく異なります。

そこで本調査では、都道府県別の回答傾向をもとに、子育て期の住み替えの起き方を4つのタイプに整理しました。

4つの住み替えパターン 例:岡山県 生活圏内調整型 都道府県別の詳細データをご用意しています。

本調査では、都道府県別に「検討・実行率」「実際に住み替えた率」「住み替え範囲」を整理しています。
詳細な都道府県別データや、自地域に近い傾向の読み解きについては、レポート資料としてご案内可能です。

この結果から見えてくる、地域内の住み替えニーズ

子育て世帯の住み替えは、県外からの移住だけでなく、同じ市区町村内や近隣自治体など、生活圏を大きく変えない形でも起きています。
そのため、移住希望者向けの情報だけでなく、今住んでいる家庭が「この地域で暮らし続けるには、どんな住まい・保育・教育・支援を選べるのか」を見つけやすくする情報発信も、子育て世帯にとって役立つ可能性があります。

出典

※数値は添付リサーチ資料掲載の静岡県公表実績

07. 子どもの成長で、必要な支援と情報の届け方は変わる

末子年齢別に、あると魅力的な支援と参考にしたい情報源を比較

住む地域を選ぶ・見直すときに求められる支援は、子どもの年齢によって少しずつ変わります。
本調査では、末子年齢別に「あると魅力的な子育て支援」と「信頼できる/参考にしたい情報源」を見ることで、成長段階ごとに必要な支援と情報の届け方を整理しました。

(1)妊娠中~0歳|比較の入口 (2)1~3歳|暮らしやすさの確認期 (3)4歳~|教育・定着の視点

子どもの年齢が変わると、必要な支援だけでなく、情報にたどり着く経路も変わります。
妊娠中から就学前までを一続きで捉え、成長段階に応じて支援と情報を届けることが、地域で暮らし続ける安心につながりそうです。

こんなお声もいただきました

08. 街は『ある・届く・使える』の3段階で見比べる

制度の数だけでなく、必要なときに見つかり、実際に使えるかまで確かめる

Q 現在の地域で子育て支援の存在を知っているか Q 信頼できる/参考にしたい情報源 子育て支援を見るときの3つのチェックポイント

支援は「知っている」だけでは、利用につながるとは限りません。
一時預かり・病児保育や産後ケアでは、「知っているが未利用」の割合が高く、制度の有無だけでなく、申請条件や予約方法、実際の使いやすさまで届くことが大切です。
子育て世帯が街を比べるときは、支援があるか、情報が届くか、必要なときに使えるかまで見ることで、暮らしやすさを判断しやすくなります。

こんなお声もいただきました

09. セルフチェック

ここまで見てきたように、子育て支援は「制度がある」だけでは十分ではありません。
必要な家庭が見つけられるか、実際に使えるか、そして今の地域で暮らし続ける選択肢として届いているか。
最後に、自治体の情報発信や支援導線を見直すためのチェック項目として整理しました。

セルフチェック

支援をすべて一度に見直すのは簡単ではありません。
まずは、「知っているけれど使えていない」支援について、利用条件や予約方法、相談先が見つけやすくなっているかを確認してみることが、子育て世帯にとって使いやすい支援につながる一歩になりそうです。

10. まとめ

子育て世帯に選ばれるまちは、「制度の数」ではなく「暮らし」で選ばれる。

今回紹介した事例から見えてきたのは、子育て世帯が求めているのは、単に支援制度の多さではないということです。

住まい、保育、移動、情報発信、相談体制――。

住まい、保育、移動、情報発信、相談体制を「子育て世帯が安心して暮らせる環境」として一体的に捉えることは、地域の暮らしやすさを伝えるうえでも大切な視点になりそうです。

もちろん、人口規模や財政状況、地域課題は自治体ごとに異なります。
そのため、他自治体の施策をそのまま取り入れることが正解とは限りません。

しかし、「どのような課題を捉え、どのような形で暮らしに寄り添っているのか」という視点は、多くの自治体に共通するヒントになるはずです。

本記事が、自分たちの自治体の子育て施策や情報発信を見つめ直すきっかけとなれば幸いです。

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