妊娠検査薬ってなに?
どうやって使うの?
妊娠検査薬とは、妊娠しているかどうかが気になった時、手軽に判定できる試薬のこと。薬局やドラッグストア、インターネットで購入することができます。市販されている妊娠検査薬の基本的な使い方は、以下の通りです。
- 妊娠検査薬の所定の位置に尿をかける。
もしくは妊娠検査薬を尿に浸す。
- 妊娠検査薬を水平に置き、所定の時間待つ。
- 妊娠検査薬の判定を確認する。
「妊娠の可能性が高い」→「陽性」、「妊娠の可能性が低い」→「陰性」となります。一般的に「陽性」の判定結果は、「判定窓」と呼ばれる箇所にラインが現れる、もしくはデジタル表示で「+」が現れることでわかります。
妊娠検査薬が反応する
hCGってなに?
妊娠がわかる仕組みは?
妊娠検査薬は、尿の中に含まれるhCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)の濃度で、妊娠しているかどうかを判定します。受精卵が着床すると、子宮内膜からはがれないようにするための絨毛(じゅうもう)という胎盤のもとが生えてきます。そしてそのまま着床状態が維持できるよう、絨毛組織から分泌されるのがhCG。着床後、hCGの分泌量は増加していき、生理予定日から1週間ほど経つと妊娠検査薬で陽性反応を示す基準値が尿の中に出てきます。
妊娠検査薬で
正しい判定が出る確率は?
陽性なら妊娠確定?
妊娠検査薬は、正しい時期に正しく使用すれば、99%以上の精度で尿中のhCGを検出することができるといわれています。ただし、妊娠検査薬で陽性が出たとしても、子宮内に正常に妊娠しているとは限らず、以下のようなケースもあります。
正常妊娠以外で妊娠検査薬が
陽性となる場合
- 異所性妊娠(子宮外妊娠)
- 卵管や卵巣など、子宮内膜以外に受精卵が着床してしまった状態。妊娠5週以降に超音波検査で胎嚢(赤ちゃんの入っている袋)が確認できない場合、異所性妊娠が疑われます。母体のリスクも高いので、受診が必要です。
- 胞状奇胎
- 胎盤のもととなる絨毛が子宮内で異常に増殖し、胎盤をつくる絨毛細胞がぶどうの粒のようになります。胎児は育つことができず、病巣を取り除く治療が必要になります。
- hCG産生腫瘍を患っている
- 肺がんや卵巣がん、子宮頸がんにかかっているとhCGの分泌量が増え、妊娠検査薬で陽性になることがあります。
- 排卵誘発剤を使用している
- 不妊治療でhCGを含む排卵誘発剤を投与されている場合、妊娠していなくても陽性が出ることがあります。
- 糖尿、蛋白尿、血尿などの
症状がある
- 糖尿病を患っていたり、膀胱炎などによって尿中に血液やタンパクが混ざってしまうと、妊娠検査薬が正常に反応せず、妊娠していなくても陽性となってしまうことがあります。
生理が来ない!
妊娠検査薬を使っていい?
妊娠検査薬で
フライングになる期間は?
妊娠検査薬が反応する時期は使用するものによって違いますが、市販されている妊娠検査薬の多くは、「生理開始予定日の1週間後以降」が判定可能な時期とされています。これは一般的な検査薬で陽性反応を示す尿中のhCGの基準値が「50mIU/mL」であるため。妊娠していても、生理開始予定日の1週間後以降にならないと分泌量がこの基準まで増加しないため、この時期より早めに使うと「フライング検査」となって正しい結果が現れにくくなります。
「早期妊娠検査薬」なら
生理予定日当日や、
生理予定日5日前などから
「フライング検査」できることも。
1日でも早く結果が知りたい!という場合は、フライング検査ができる「早期妊娠検査薬」を使うという手もあります。早期妊娠検査薬は一般的な妊娠検査薬のhCG基準値の半分、「25mIU/mL」以上で陽性反応が出るようになっていて、生理開始予定日や予定日の5日前頃から使えるものも。ただし、判定の確実性は一般的な妊娠検査薬の方が高いとされています。
フライング検査で薄いラインが出た!
妊娠の可能性は?
妊娠検査薬を使った時、陽性かどうかわかりにくいうっすらしたラインが現れることがあります。その理由は、検査の時期が早すぎたり、水分摂取量が多くて尿が薄かったり、検査薬の使用期限が切れていたり、ということが考えられます。また判定の目安時間を過ぎてもそのまま放っておくと、妊娠検査薬に染み込んだ尿が蒸発して尿中の成分が残り、うっすらとした線が現れることも。妊娠検査薬のメーカーが推奨する時期、判定の目安時間内で説明書通りの「陽性」結果が現れなかった場合ははっきりした結果がわからないので、1週間程度の期間を空けてもう一度検査した方がよいでしょう。
妊娠検査薬が陽性だった!
産婦人科に行くタイミングはいつ?
妊娠検査薬で陽性反応が出た場合は、妊娠している可能性が高いといえます。ただ、妊娠検査薬が陽性なだけでは正常な妊娠かどうかは判断できず、子宮外妊娠や流産の可能性もあるため、早めに産婦人科を受診しましょう。状況によっては、早急な処置が必要な場合もあります。ただし、フライング検査や早期妊娠検査薬での陽性反応の場合は、すぐに受診しても胎嚢が確認できない可能性があるので、生理予定日1週間を過ぎてから受診するようにしましょう。