ご監修いただいた先生のご紹介

PROFILE
監修 荻田和秀 先生香川医科大学卒業。大阪警察病院、大阪府立母子保健総合医療センター等を経て、大阪大学医学部博士課程修了。現在は泉州広域母子医療センター長、りんくう総合医療センター産婦人科部長。産科医にしてジャズピアニストでもあり、産婦人科を舞台とした漫画『コウノドリ』(講談社)の主人公のモデルにもなった医師。
出産後のママは心も体も不安定な状態。
慣れない育児も加わって、
誰でも発症する可能性があるのが産後うつです。
悪化すると深刻な症状になってしまうため
予防と早期発見が肝心。
ママ自身も周りの人も、産後うつについて正しく知り
理解を深めることが大切です。

香川医科大学卒業。大阪警察病院、大阪府立母子保健総合医療センター等を経て、大阪大学医学部博士課程修了。現在は泉州広域母子医療センター長、りんくう総合医療センター産婦人科部長。産科医にしてジャズピアニストでもあり、産婦人科を舞台とした漫画『コウノドリ』(講談社)の主人公のモデルにもなった医師。
産後うつとは出産後に現れるうつ症状のことで、極度の悲しみを感じたり、気持ちが落ち込んだり、それまで行っていた活動への興味を失ったりする状態のことをいいます。マタニティブルーとよく混同されますが、こちらは一時的な気分の落ち込みを指し、2週間程度で症状が治まることがほとんど。産後うつは数週間から数か月続き、日常生活に支障をきたすほどの深刻な症状となります。具体的には、以下のような症状が現れます。
産後うつの原因は、まだ明確には分かっていませんが、以下のようなさまざまな要因が絡み合うことで発症すると考えられています。
産後うつは10人に1人が罹患するといわれ、出産を終えた女性なら誰でもかかる可能性がある病気です。また、以下のような特徴がある人は特に発症リスクが高いといわれているため、気をつけるようにしましょう。
自分が産後うつかもしれないと思ったときは、まず誰かに助けを求めましょう。また家族や周りの人が産後うつかもと思ったときは、話を聞いてあげましょう。産後うつの対策には、育児など大変なことを一人で背負い込まず、パートナーや家族に家事・育児を頼ることが大切です。「がんばりすぎない」よう意識して、掃除や料理などは完璧にしようとせず、ときどきは休みを取ったり、子どもが寝ている間に昼寝をしたりして、体と心を休めましょう。友人などに話を聞いてもらい、不安やストレスを解消したりすることも効果があります。


株式会社With Midwife × アカチャンホンポの「with babylife 〜赤ちゃんと暮らすみんなの声が集まる場所」では、手軽に子育ての悩みを相談できます。X(Twitter)でアカウントをフォローすると、助産師さんに直接聞きたいことをポストできるので、ぜひ利用してみてください。
詳しく知りたい方はコチラ慣れない育児に疲れてしまいがちなママのために、行政や民間では「産後ケア」というサービスが用意されているのをご存じでしょうか?育児の支援や心身のケアなどをしてくれるので、上手に利用しましょう。

自分なりにストレスを解消する対策をしたり、誰かに相談したりしてもつらいと感じた場合、特に2週間たっても改善しなかったり、うつ症状が原因で本人や家族の生活に支障が出てきた場合は、病院を頼るのがおすすめです。心療内科、精神科を受診するか、出産した産婦人科で相談するとよいでしょう。症状によって抗うつ薬を使ったり、カウンセリングをしたりして治療が行われます。また、いきなり病院に行くのはハードルが高いと感じる場合は、まずは自治体の相談窓口を利用してみましょう。症状について相談できたり、医療機関を紹介してもらえたりします。
ママに産後うつの症状が現れた場合、回復のためには周囲のサポートが欠かせません。パートナーや家族はまずママのつらさを理解し、家事・育児の負担を減らしてママが休む時間を作ってあげましょう。また励ますつもりでも「がんばって」などと言うと追い詰めてしまうことがあるので、話を聞いてあげて寄り添うことが大切。「一人ではない」と安心感が持てる環境を整えてください。また必要であれば、受診や相談窓口に出かけるときに付き添ってあげるなどのサポートも行いましょう。
妊産婦さんの声を集め、ママが抱えてしまいがちな問題の解決のために活用するという、大阪大学の「生誕1000日見守りプロジェクト」。アカチャンホンポは会員の皆さまへのアンケートを実施することで、この取り組みに協力しています。

※以下、回答内容は荻田医師監修
産後に気分が落ち込んだとき、「よくあること」などと流さず、気分の変化を見逃さないことが大切です。憂うつな気分が続いたときや、眠れない、食欲がないなどの症状が現れたときは早めに周囲や相談窓口に相談しましょう。
まず、がんばりすぎないこと。家事や育児を完璧にしようとせず、適度に休みをとりましょう。また不安や悩みは一人で抱え込まず、家族や友人、パートナーなどに助けを求めましょう。地域の子育て支援センターや、民間の育児・家事支援サービスを活用するのも手です。
マタニティブルーは産後数日~2週間程度、一時的に落ち込みや不安、イライラが起こることで、自然によくなります。対して産後うつはもっと長引き、数か月にも及ぶことがあったり、生活に支障が出るほど重い症状になります。2週間以上症状が続いている、強い不安感がある、夜眠れていない、日常生活がつらいなどの症状がある場合は早めに対処しましょう。
回復までの期間は人によって異なりますが、だいたい数か月~1年で症状が落ち着くといわれます。赤ちゃんのお世話は3~4か月までが特に大変で、それを過ぎると徐々にママの気持ちも落ち着き、うつの症状もよくなっていきます。ただ、重症化するほど症状が長引くので、早めに周囲に助けを求め、必要であれば受診することが大切です。
抗うつ薬のなかには赤ちゃんに影響を与えるリスクが低いものもあり、抗うつ薬を飲みながら母乳を与えることができる場合もあります。また薬を使わない方法や、母乳をミルクに切り替えて投薬治療をする方法もあるので、医師とよく相談して治療法を決めるとよいでしょう。