妊娠中は、お口の中が
乱れやすい!ってホント?
妊娠中の
お口のケアガイド

妊娠期の虫歯や歯ぐきのトラブルとは?歯みがき剤を選ぶポイントは?

情報提供・監修協力:ライオン株式会社

オーラルケア

妊娠中は、実はお口の健康にも気をつけた方がいいことをご存じでしょうか?つわりで歯をみがくのがつらい時期で虫歯が心配。さらに妊娠中のホルモンの変化は実は歯肉炎の原因にもなります。どうすればトラブルを防げるのか、歯みがきがつらいときはどうすればいいのか、歯みがき剤などの選び方など詳しくご紹介します。

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妊娠しても
「口内環境に変化を感じない」
ママが多いけど、
実は歯肉炎を
発症しているかも!?

歯肉炎を発症しているかも!?のイラスト

妊娠前と比べて妊娠中の口内環境に変化を感じるか、ライオン株式会社によるインターネット調査アンケートで「変化を感じない」と回答した人は69%でした。しかし、論文によると、妊娠中に歯肉炎を発症している人の割合は約60%※1ともいわれており、妊娠中はオーラルケアに気をつけることが大切です。

※1
久保ら、口腔衛生会誌,73:21–30,2023 歯肉出血のある者、
歯周ポケットのある者の割合

妊娠前と比べて口内環境の変化は?

悪くなった 29%、変化は感じない 69%、良くなった 2%
お口の中に変化が起こっていても自分では気づいていない可能性が!

出典:ライオン株式会社インターネット調査
(全国・過去1年以内に第1子を出産した
20~44歳の女性:106名・2023年調査)

妊娠中はお口のトラブルが
起きやすいって本当?

妊娠すると、ホルモンバランスが変わることで、口内環境にも変化が現れます。お口の中を正常に保つためには唾液がきちんと分泌されていることが重要ですが、妊娠中は分泌量が低下し、トラブルが起きやすくなります。また次のような理由も、妊娠中の虫歯や歯肉炎の原因になります。

妊娠中の虫歯や歯肉炎が
おきやすい主な原因

妊娠中のホルモン変化が
歯周病菌に好都合
歯周病の原因となる菌の中には、妊娠中に増える女性ホルモンを好物とする菌がいます。このため、妊娠中は歯周病菌が活発になり、歯肉に炎症が起きやすくなります。
食べる回数が増えるから、
虫歯ができやすい
妊娠中は食べづわりでちょこちょこ食べないと気持ち悪くなったり、胃が圧迫されてちょっとずつしか食べられなかったりするため、食事の回数が増えがちです。食事の回数が多いほど歯の再石灰化が遅れるといわれ、虫歯になりやすくなります。
つわりでお手入れがつらくなり、
菌が増えやすい環境に

つわりのときはのどの近くがデリケートになり、歯ブラシが少しでも当たると吐き気を催すことがあります。また妊娠前は気にならなかった歯みがき剤の味やにおいが苦手になることもあり、歯みがきがおろそかになってしまいがちです。

妊娠中に歯みがきする画像

つわりの時の歯みがき…
どうすればいい?

※1
販売名:システマCQa
(エレガントフルーティミント)
【医薬部外品】
※2
年齢に応じた口腔ケア
※3
歯周病:歯肉炎・歯周炎の総称

きちんとお口のケアをしたいと思っても、つわりで思うようにできないことも多いもの。マイナビニュースインターネット調査アンケートでも、つわりの時期に「歯をみがくのがつらい」と感じたことがある人は約60%もいました。

つわりの時期に
「歯をみがくのがつらい」と
感じたことはある?

ある:60.1%、なし:39.9%

出典:マイナビニュースインターネット調査
妊娠期の歯磨きに関するアンケート
(マイナビニュース会員:女性300名・2022年調査)

妊娠中のオーラルケアがつらかったり、お口のトラブルが心配な場合は、以下のような工夫を試してみてください。

つわりの時期や調子が
優れないときは
歯みがきにも
工夫をプラス

Point 1

体調のいい時間帯を選んで
歯みがきをする

普段歯みがきをしていた時間帯にこだわらず、体調が少しでもいいタイミングで歯みがきをすれば大丈夫。ただし寝る前はできるだけ歯みがきするようにしましょう。寝ている間は唾液の分泌量が減り、口の中の細菌が増えやすくなります。
Point 2

「ながらみがき」をする

歯みがきの時、歯ブラシの感覚だけに集中していると気持ち悪くなりやすいようです。歯ブラシを意識しないように、テレビを見たり、ベランダに出て外を眺めながらみがく「ながらみがき」をするとリラックスして吐き気がおさまることがあります。
Point 3

下を向いて
小さく歯ブラシを動かす

歯ブラシは小刻みに小さく動かすと、刺激が少なくなって吐き気がしにくくなります。また顔を下に向け、歯ブラシを舌に当てないようにするのも吐き気対策に有効です。
Point 4

低刺激で味・においが
気にならない
歯みがき剤に変える

妊娠中、特に妊娠初期は味やにおいに敏感になることが多いので、歯みがき剤は香料が強くないものや、やさしいフレーバーのものを選びましょう。
Point 5

歯周病に有効な成分が
入っている
歯みがき剤を使う

妊娠中は口の中の細菌が増えやすくなったり、歯周病のリスクが高まったりしているため、できれば歯と歯ぐきの健康に有効な成分が含まれている歯みがき剤を使いましょう。
Point 6

歯ブラシがつらいときは
洗口液を使う

つわりで歯ブラシを口に入れるだけで吐き気がしてしまう場合は、洗口液を利用するのがおすすめです。ただしあくまでも補助的なものなので、少なくとも1日1回は歯ブラシでみがきましょう。

妊娠中のお口のトラブル、
防ぐにはどうすればいい?

妊娠中のさまざまなお口のトラブルを防ぐには予防が肝心。そのためにはまず、歯科医院などでプロにお口の状態を診てもらうことが大切です。また歯科医や歯科衛生士に普段のお手入れ法もしっかり教えてもらい、自宅でも実践することがお口の健康と赤ちゃんの健康を守ることにつながります。

妊娠中に歯科健診を
受けるとき気をつけることは?
時期はいつがいい?

妊娠中に歯科医院で健診を受ける際、つわりで口の中を触られるのが気持ち悪かったり、仰向けの体勢に不安を感じる人なども多いでしょう。特に妊娠初期は、つわりが強いことも多く、レントゲンや治療のストレスがママや赤ちゃんの負担になることもあるので、特にお口のトラブルが発生していない場合は避けた方がいいでしょう。また妊娠後期になると、今度はお腹が大きくなって体が重くなり、診療椅子で仰向けの状態で診察や治療を受けるのがつらくなってきます。

歯科健診は妊娠中期(妊娠5~7ヵ月頃)に受けるのがおすすめ

このため、歯科健診は妊娠中期(妊娠5~7ヵ月頃)に受けるのがおすすめです。予約する際に妊娠中であることを伝え、当日は母子手帳を持っていきましょう。

妊娠中、歯科健診を受けた方のうち
45%※4の方が治療が必要
だったと回答

妊娠中の歯の治療時期は、安定期に入る妊娠中期(5~7ヵ月)が最も多く、出産前に治療を済ませる方が多いです。妊娠中に1回、無料で歯科健診や歯科保健指導が受けられる制度を実施している自治体もあります。詳しくは、お住いの市区町村にお問い合わせください。

※4
出典:赤ちゃん本舗アンケート調査(回答者数=1,631名/2019年調査)

歯科健診を
受けた方が63%

受けた 63%、受けなかった 37%

回答者数=1,631
出典:赤ちゃん本舗アンケート調査(1,631名のママ・2019年調査)

妊娠中のお口ケアに関するQ&A

※以下、回答内容はライオン株式会社監修

妊娠中は赤ちゃんのために
ママの歯からカルシウムが
とられるって本当?

ママが虫歯に
なりやすくなることから
生まれた俗説で、
根拠なし。

一度形成されたママの歯から赤ちゃんのためにカルシウムが溶け出すことはありません。昔から妊娠中はママの歯が悪くなりやすかったことから、そういわれるようになったようです。

妊娠前の歯科健診で
問題がなかったら、
妊娠中は歯科健診に
行かなくていい?

妊娠でお口の環境が
変化すること、
出産後は
歯科に通いにくいことから
健診を受けた方が◎。

妊娠前には問題がなくても、妊娠するとホルモンの変化やつわりによるお手入れ不足でトラブルが起こりがち。また出産後は赤ちゃんを預けて歯科医院に通うのが難しくなるため、治療が必要になった場合のためにも妊娠中に歯科健診を受けておきましょう。時期は体調が安定する妊娠中期がおすすめです。

歯の治療のために、
妊娠中にレントゲンを
とっても大丈夫?

一般的には安全と
考えられていますが
心配な場合は、
歯科医に相談を。

歯科でのレントゲン撮影はお腹から離れた場所で行われることが多く、放射線量もごくわずかとされています。そのため、妊娠中でも一般的には安全と考えられていますが、ご不安な場合は歯科医にご相談のうえ、よく相談して治療を進めてもらいましょう。

妊娠中、歯の治療のために
麻酔をした場合、
胎児への影響は?

心配ないけれど、
妊娠初期は控える
歯科も。

歯科で使用する局所麻酔はごく少量で、局所で分解されるため全身にまで影響を与えることはほとんどなく、胎児にも影響しないとされています。ただ妊娠初期は念のため使用を控えることもあるようです。

ママ・パパの虫歯菌が
赤ちゃんにも
うつることってある?

同じスプーンを
使ったりすると、
うつる可能性あり。

ママ・パパが虫歯になっていると、赤ちゃんが生まれてからスキンシップをしたり、同じスプーンやお箸を使ったりしたときに、虫歯菌がうつってしまうことがあります。ママ・パパ自身が口腔内を清潔に保つとともに、スプーンなどを共用しないようにしましょう。