「つわり」って
どんな症状なの?
つわりとは、吐き気や食欲不振などをはじめとする、妊娠によって起こるさまざまな不調のこと。全くない人もいれば、点滴や入院が必要になるぐらい重症化する人もいます。つわりの原因は、赤ちゃんがきちんと育つよう母体のホルモンシステムが変わるためといわれていますが、確かな理由は明らかになっていません。症状にもいろいろな種類があり、食べると吐いてしまういわゆる「吐きづわり」、逆に食べないと気持ちが悪くなる「食べづわり」のほか、眠気やだるさがひどくなる「眠りづわり」、よだれがたくさん出る「よだれづわり」などがあります。
妊娠初期はつわりが
起きやすい?
つわりが起きやすいのは、妊娠5~6週目頃からの妊娠初期。その理由は、妊娠するとhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンが大量に分泌されるためです。つわりの明らかな原因は解明されていませんが、主な原因はこのhCGが脳にある嘔吐中枢を刺激することだといわれています。
「つわり」のピークは
いつからいつまで?
つわりがはじまるのは早ければ妊娠5週頃。妊娠8~11週頃にはピークを迎え、つわりが重い人だとほとんど食事がとれないことも。ただ、遅くても妊娠16週頃までに治まるケースが多いようです。必ず終わりは来るので、つわりは「無理をしないで」という赤ちゃんからのメッセージだと受け取り、なるべくゆったりと体を休ませながら過ごしましょう。
「つわり」は
個人差があるの?
アカチャンホンポが、2,373名の先輩ママに行ったアンケートでは、24%の人、つまり約4人に1人は、つわりがなかったと回答。一般的にも、つわりは50-80%の妊婦さんが経験すると言われており、個人差が大きいこともつわりの特徴です。
また、つわりがあった方でも、人によっては頭痛や眠気、唾液の増加などもみられるなど症状は様々であり、特に初めて出産する女性に比較的多いとも言われています。
つわりになりやすい人の
特徴は?
つわりは個人差が大きく、体質や遺伝に関連していることが多いといわれています。メカニズムが解明されていないため、なりやすい人の特徴ははっきりとはいえないものの、以下のような人は症状が早く、強く出る傾向があります。
チェックリスト
- ホルモンバランスや体調の変化に敏感
- 過去の妊娠でつわりの症状が重かった
- 母親や姉妹などのつわりの症状が重かった
- 多胎妊娠(双子、三つ子などの妊娠)をしている
- 乗物に酔いやすい
- 片頭痛や便秘の症状がある
- 睡眠不足や疲労がたまっている
- 精神的ストレスや不安がある
つわりの種類には
どんなものがある?
つわりの症状には主に次のようなものがあり、どの症状が出るかは人それぞれです。
吐きづわり(吐いてしまう)
つわりの代表的な症状です。胃や胸が常にムカムカする、食べても吐いてしまう、空腹時で吐くものがなくても吐き気がする、特定のにおいで吐き気を催すなどの症状があります。
食べづわり
食欲とは無関係に、つねに何かを食べていないと気持ちが悪くなる症状。好きだった食べ物が急に嫌いになったり、そうでもなかった食べ物が無性に食べたくなったりという好みの変化も現れます。
朝、起きるとムカムカする
朝は血糖値が下がるため、気分が悪くなりやすいといわれています。また、朝起きてすぐに気持ちが悪くなる場合は、空腹が影響していることも多いようです。
特定のにおいが気になる
妊娠すると、今までは気にならなかったにおいが感じられるようになったり、それまでいいにおいだと思っていたもので気分が悪くなったりすることがあります。食べ物のにおいだけでなく、部屋や芳香剤、洗剤のにおいなども苦手になることがあります。
眠気やだるさがつらい
どれだけ寝ても足りず、常に眠い状態が続くのが「眠りづわり」と呼ばれる症状。体がだるくて何もやる気が起きない、頭がぼーっとするなどの症状が起こることもあります。
よだれがたくさん出る、
うまく飲み込めない
妊娠によるホルモンバランスの変化の影響で、唾液が過剰に分泌されたり、唾液を不快に感じてうまく飲み込めなくなったり、唾液を飲み込むとせき込む、吐き気がするなどの症状が起こったりすることがあります。
歯を磨くのが気持ち悪い
つわりのときはのどの近くがデリケートになっており、歯ブラシを口に入れるだけで吐き気が起こることがあります。また歯磨き粉の味やにおいで気持ちが悪くなることもあります。
症状別の対処法や、
軽減させる方法は?
つわりの症状によって、さまざまな乗り切り方があります。自分の症状に当てはまるものを参考にしてください。
吐きづわり(吐いてしまう)
吐き気がひどい、食べても吐いてしまう人は、この時期は水分補給さえしっかりしていれば、とりあえずは大丈夫。水分は炭酸飲料、氷やアイスキャンデー、野菜スープなどでもいいので、口にできるものを探しましょう。食べ物も自分が食べられるものを優先して。
食べづわり
(何か食べていないと気持ち悪い)
つねに何かを食べていないと気持ちが悪くなる場合は、空腹の時間を減らすことが大切。食事を小分けにして回数を増やしてみましょう。ただし、1日の摂取カロリーはオーバーしないよう、カロリーの低いものを選んで。ノンシュガーガムやするめ、酢昆布など、長く口の中に入れておけるものもおすすめです。
朝、起きるとムカムカする
血糖値の低下や空腹による吐き気は、少しでも何か食べると治まることもあるので、キャンディー、クラッカーなど枕元にすぐ食べられるものを用意しておきましょう。また軽度の脱水症状が原因の場合もあるので、起きたらすぐ水分がとれるようにしておくのも対策の一つ。
特定のにおいが気になる
においで気分が悪くなる場合はマスクをして対策しましょう。自分が食べようとしている食事のにおいの場合、温度が下がると出にくくなるので、冷やして食べるのもよいでしょう。
眠気やだるさがつらい
急いでやらなければならないことがなければ、ゆっくり体を休めるのが一番です。仕事中に眠気におそわれたら、席を立ってストレッチしたり、外の空気を吸いに行ったり、ガムをかむなどの方法ですっきりさせましょう。
よだれがたくさん出る、うまく飲み込めない
外出しなければいけない場合は大きめのタオルを持ち歩いたり、寝るときは枕元に洗面器を置いておくなどして、すぐに唾液が吐き出せる工夫をしましょう。
歯を磨くのが気持ち悪い
歯磨き粉の味やにおいがダメな場合は、ブラッシングだけでもOK。歯ブラシを口に入れることすらできない場合は、せめて食後に口をゆすぐようにしましょう。