生理が来ない!
これって妊娠?
妊娠を疑う一番の症状として、生理の遅れがあります。しかし、生理が来ない理由は妊娠以外にもいろいろあるのをご存知でしょうか。
例えば、排卵が遅れていたとき。生理が起こるのは排卵から2週間が経過しても受精しないときであるため、排卵が遅れれば生理も遅れてしまうのです。
また排卵を司るのは「脳下垂体」であり、ストレスの影響を受けやすい部分です。そのため仕事や家庭、人間関係などで強いストレスを抱えていると、ホルモンバランスが崩れ、生理が遅れることがあります。
さらに過度のダイエットによって栄養が不足してしまうことも生理の遅れにつながります。栄養が不足すると、体が妊娠に耐えられる状態ではないと脳が判断するため、排卵や女性ホルモンの分泌が止まってしまい、生理も止まってしまうことがあるのです。
さらに「子宮内膜症」や「多嚢胞性卵巣症候群」といった子宮や卵巣の病気も、生理が遅れる原因となります。こういった原因のことも考えると、生理が来ないだけでは妊娠を判断することはできないといえます。
想像妊娠って
どんな症状?
想像妊娠とは、実際は妊娠していないのに、妊娠と同じような症状が現れ、妊娠したと思い込んでしまうことです。その主な症状には、先ほど説明した生理の遅れ以外にも、以下のようなものがあります。
少量の出血
おりものに少量の血が混ざる症状。妊娠初期の「着床出血」に似た症状ですが、生理前にも多少の出血が起こる場合があります。
吐き気・食欲不振
なぜか気分が悪く、吐き気がして食欲がないという、いわゆる「つわり」に似た症状。妊娠を気にしすぎることで起きることもあります。
体温が高い
顔がほてるような感覚があり、体温を測るといつもより少し高い状態が続くという症状。妊娠したときも体温が高い状態が続きますが、排卵日が遅れていて高温期の最中にある場合や、体調による発熱である場合もあります。
どんな人が
想像妊娠しやすい?
原因は?
想像妊娠が起こることが多いのは、まず「妊娠したい」と強く望んでいるとき。
私たちのホルモンバランスや自律神経は、脳でコントロールされています。そのため、「妊娠したかもしれない」と思い込むことや「なんとしても妊娠しなければ」と強いストレスを感じることで、排卵が遅れたり、生理が遅れてしまったりすることがあるのです。「妊娠しているなら、今頃、つわりがあるはず」という思い込みが、気分の悪さを引き起こすこともあります。
また逆に、妊娠を望んでいないときや妊娠に対して不安感や恐怖感があるときも、「妊娠してしまったかも」と思うことによるストレスから、同様の症状が現れることがあります。
妊娠超初期と
「思い込みの妊娠」の
見分け方は?
想像妊娠か本当の妊娠かある程度の判断をつけるためには、まずは基礎体温を1週間以上測り続けてみることが目安になります。生理が遅れており、平熱よりも高めの体温が5日以上続いている場合は、妊娠の可能性が高くなります。ただし、この症状も前述したように排卵日前の高温期であったり、発熱の場合もあるので、以下のような他の妊娠超初期症状もあるかどうかを同時に調べてみるといいでしょう。
以下のチェックリストにも思い当たるものが多く、妊娠の可能性が高いと思う場合は妊娠検査薬でセルフチェックを。ただし、チェックするタイミングが早すぎると反応が出ないこともあるので、使うのは生理予定日の1週間後あたりからがおすすめです。陽性が出た場合は、なるべく早く産婦人科で診察してもらいましょう。
妊娠初期症状における主な症状
(チェックリスト)
- おりものの量が増えた、色が変わった
- 少量の出血
- 腹痛・下腹部痛・お腹が張る
- つねに眠い、昼間に眠くなる
- 食欲がなくなった、食欲がありすぎる
- めまいやふらつき
- なんだか熱っぽい
- わけもなくイライラする、気分が落ち込む
- 便秘がち
- 胸が張る、乳頭がチクチクする
妊娠初期症状は
いつから起こるの?
人により個人差がありますが、早い人で妊娠3週目ごろから体調の変化を感じる人もいます。これは、妊娠におけるさまざまなホルモンが分泌されることから起こってきます。
最終月経の初日を妊娠0週0日と計算します(出産予定日の計算方法はコチラから)。妊娠すると、妊娠3週目ごろ妊娠初期症状が現れ始めます。妊娠4~5週目は、多くの人が妊娠の兆候に気づいてきます。ただ、妊娠初期のところは、「少しだるいな」とか、「なんだか熱っぽい」といった症状がほとんどなので、すぐに妊娠しているとは気付かない人も多いです。
妊娠初期症状は
性行為後、
いつから現れる?
妊娠初期症状の一つ、着床出血が起こるのは性行為後1~2週間後。その仕組みは以下の通りです。
最終月経開始日が妊娠0週0日とすると、排卵日はおよそ2週間後となります。この排卵日前後に性行為が行われると、3日以内は受精が成立しやすくなります。そして受精から5~6日経つと着床が始まり、受精から12日後頃に着床が完了します。着床出血はこの着床開始~着床完了までの間に起こるため、着床出血に気づくのは性行為のだいたい1週間後~2週間後頃ということになるのです。
また着床により妊娠が成立すると、妊娠に関わるホルモンが大量に分泌され始め、ホルモンバランスが乱れることに。この急激な変化によって起こる妊娠初期症状も、同じ頃から現れます。
思い込みで
がっかりしないために、
普段から
気をつけるべきことは?
妊娠を望んでいる「妊活期間」であるなら、思い込みを防ぐためにも普段から自分の生理周期をきちんと知っておいたり、基礎体温をつけておくのがおすすめ。いつもの周期的な変化との違いがわかれば、本当の妊娠なのかどうか判断するための手助けとなります。
また排卵日を知っておくことも大切。そのためには基礎体温が手がかりとなるほか、生理日予測のアプリなどでも排卵日を教えてくれるものがあります。さらに「おりもの」も、生理周期や排卵日と関連して状態が一定の周期で変わっていきます。こうした自分の体のリズムをあらかじめ知っておくことが、より正確な判断につながります。
ただ、妊活中はあまり神経質になりすぎないことも大切。妊娠について考えすぎるストレスが、想像妊娠の症状を起こしてしまうことがあるからです。そしてたとえ想像妊娠の症状が現れても、マイナスにとらえないこと。「そのぐらい赤ちゃんが欲しいんだな」と自然に受け止めて、楽な気持ちで前向きに妊娠を待ちましょう。
基礎体温と排卵日の関係
妊娠を希望しているとき、
妊娠かも?と思ったときに
注意することは?
まず、妊娠がわかる前から摂っておいた方がいいのが葉酸。葉酸は細胞の分裂や成熟に大きく関わり、特に胎児にとっては重要な成分。妊娠がわかる前から十分に摂ることで、お腹の赤ちゃんの脳や脊髄(せきずい)に関連するリスクを減らすことができるとされています。
また逆に、タバコやアルコールは妊娠の可能性があるなら控えましょう。
喫煙は流産や低出生体重児のリスクを高めるといわれており、アルコールは赤ちゃんの脳の発育などを阻害する恐れがあります。
さらに、妊娠の可能性があるときは市販の薬の服用にも注意。胎児に影響が出る恐れがあるので、自己判断で勝手に服用せず医師に相談しましょう。病院で薬を処方してもらうときも、必ず妊娠の可能性があることを伝えるようにしてください。