進め方を早見表でチェック!
管理栄養士
中村美穂先生 監修
赤ちゃんは生後5~6ヶ月頃になると、母乳やミルクだけでは栄養が足りなくなってきます。そこで、大人と同じように食事から栄養をとれるようになるため、練習として必要になるのが離乳食。いつからどんな風に進めればいいのか、早見表と合わせてわかりやすく、詳しくご紹介します。
監修いただいた先生のご紹介
管理栄養士
中村美穂先生 監修
管理栄養士、料理家、フードコーディネーター、国際薬膳調理師、プラントベースフードアドバイザー。保育園栄養士として乳幼児の食事作りや食育活動、地域の子育て支援事業に携わる。2009年に独立し、料理教室を開催。離乳食教室、食育講座の講師のほか、書籍・雑誌・WEB記事、生協カタログ等へのレシピ提供、監修を多数担当。著書・監修に『きちんとかんたん離乳食』『365日マネするだけ離乳食 離乳食はこの1冊でまるごと解決!』など。
オフィシャルサイトはコチラ離乳食は、
いつから始めるのがいいの?
始めるタイミングのサインは?
離乳食を始める月齢の目安は、生後5~6ヶ月です。この頃になると、赤ちゃんは誰かが食事をしているのを見ると、口元をジーッと見つめたり、口をもぐもぐ動かしたりするようになります。こうした「サイン」が現れたら、離乳食を開始するのにちょうどいい時期。以下のチェックリストのうち、①を含む5つ以上が当てはまればスタートしましょう。また生後6ヶ月ぐらいになるとだんだん母乳の栄養だけでは足りなくなってくるので、以下のサインが見られなくても6ヶ月のうちには始めるようにしましょう。
①を含む5つ以上が
当てはまればスタート!
- ①生後5ヶ月を過ぎた
- ②首がしっかり座っている
- ③よだれがよく出るようになった
- ④食べ物や、周りの人が食べている様子に興味を示す
- ⑤赤ちゃんの口に指やスプーンを入れたとき、舌で押し出そうとしない
- ⑥支えてあげると座れる
- ⑦授乳のリズムが安定してきた
- ⑧現在、体調や機嫌がよい
先輩ママは、
離乳食をいつから始めた?
先輩ママ1268人に聞きました!
株式会社赤ちゃん本舗が、先輩ママ1,268名にお聞きしたアンケートでは、離乳食を始めた月齢は「生後5ヶ月」が半数以上という結果に。続いて生後6ヶ月からが2位。離乳食を始めるタイミングは、月齢で判断するのが一般的ですが、赤ちゃんの成長はそれぞれ。「食べ物に興味を示す」など赤ちゃんの様子を見てスタートしてあげるのがよさそうですね。
- Q.離乳食を始めた月齢を教えてください
-
60%の方が生後5ヶ月から
離乳食を始めたと回答回答者数=1,268
- Q.月齢以外で離乳食を始める
目安にしたことを教えてください -
1位は食べ物に
興味を示し始めたという回答- 食べ物に興味を
示し始めた29% - よだれの量が増えた16%
- 首がすわって自分で
頭を支えられる
ようになった13%
その他の回答
- ひとりでお座りできるようになった 15%
- 歯が生え始めた 8%
- 授乳時間が安定してきた 7%
- 寝返りし始めた 4%
- 母乳やミルクだけでは
満足しなくなった 4%
回答者数=2,608(複数回答)
- 食べ物に興味を
他にも、10倍がゆについてのアンケートなどを行っています。ぜひチェックしてみてください。
先輩ママ1268人に聞きました!
はじめての離乳食、教えて!
離乳食の最初は、何を
どのぐらいの量を食べさせるの?
どのように量を増やしていくの?
はじめての離乳食は、なめらかにすりつぶした10倍がゆ(米から作る場合、米:水=1:10のおかゆ)を小さじ1杯、午前中の授乳の時間に食べさせます。その後、体調に問題がなければ2日目は小さじ2の量に。様子を見ながら少しずつ増やしていきまましょう。おかゆに慣れてきたら、次は野菜のペーストにチャレンジ。こちらも様子を見ながら少しずつ量を増やしていきます。なお、嫌がって食べないときは、無理やり食べさせなくてOK。次の日にもう一度あげてみるなど、焦らずにトライしましょう。
量と目安の早見表
-
10倍がゆ
小さじ1(数回に分けて口に入れる) -
10倍がゆ
小さじ2 -
野菜ペーストも追加
にんじん、かぼちゃなど
甘みのある野菜がおすすめ -
パンがゆなど
他の炭水化物にチャレンジ -
たんぱく質に挑戦
豆腐ペースト小さじ1から。
慣れたら白身魚を -
1日2回食に
はじめての食材は1回目に食べさせる
離乳食初期(生後5ヶ月・6ヶ月頃)の
1日の食事(授乳と離乳食)
スケジュール
離乳食が始まっても、しばらくは母乳やミルクが主な栄養源。最初のうちは食べる練習をするのが目的なので、たくさん食べられなくても心配いりません。離乳食を食べた後は、満足するまで母乳やミルクを飲ませてあげてください。ただ、できるだけ離乳食と授乳の時間を決め、毎日同じ時間にあげることでリズムを作っていきましょう。離乳食に慣れて食べる量が増えてきたら、徐々に母乳やミルクの割合が減り、離乳食から栄養をとれるようになります。離乳食がスタートしてから1ヶ月ぐらいまで、離乳食と授乳の時間の目安は下のようになります。
タイムスケジュール例
時間 | 離乳食と母乳(ミルク) |
---|---|
5 | |
6 | |
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9 | |
10 |
1日1回 |
11 | |
12 | |
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夜の授乳は赤ちゃんが寝る時間に合わせ、寝る前に授乳。 |
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慣れてきたら1日2回に。2回目の離乳食の量は、
1回目の1/3ほどから始めてください。
時間 | 離乳食と母乳(ミルク) |
---|---|
5 | |
6 | |
7 | |
8 | |
9 | |
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1日2回 |
11 | |
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2回目の離乳食は、午後2時頃か午後6時頃、都合のいい方に。 |
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離乳食初期・中期・後期・完了期の
時期と進め方のポイントは?
離乳食で与える食べ物の大きさやかたさは、赤ちゃんの舌の動きや噛む力に合わせて変えていきます。その発達は大きく4段階に分けられ、離乳食初期(ゴックン期)は生後5~6ヶ月頃、離乳食中期(モグモグ期)は生後7~8ヶ月頃、離乳食後期(カミカミ期)は生後9~11ヶ月頃、離乳食完了期(パクパク期)は生後12~18ヶ月頃です。それぞれの段階でどんな離乳食をどのぐらいの量だけ食べるのか、早見表にしましたので参考にしてみてください。ただし個人差があるので、「この月齢だからこれを食べさせなきゃ!」とは思わず、あくまでも赤ちゃんの様子を見て進めてあげましょう。
月齢 | 5〜6ヶ月頃 | 7~8ヶ月頃 | 9~11ヶ月頃 | 12~18ヶ月頃 | 月齢 |
---|---|---|---|---|---|
○○期 | 離乳食初期(ゴックン期) | 離乳食中期(モグモグ期) | 離乳食後期(カミカミ期) | 離乳食完了期(パクパク期) | ○○期 |
回数 | 1日1〜2回 | 1日2回 | 1日3回 | 1日3回+間食 | 回数 |
食品の固さ |
〈前半〉
すりつぶすか裏ごしをして お湯や野菜のゆで汁でのばし、 なめらかなペースト状に。 〈後半〉
慣れてきたら少しずつ水分を減らし、 ヨーグルトぐらいのかたさに。 |
〈前半〉
絹ごし豆腐ぐらいのかたさにゆで、 食材の形が少し残る程度につぶす。 〈後半〉
かたさは前半と同じで、 食材はつぶさず2~4㎜に刻む。 |
〈前半〉
歯茎でつぶせる、熟したバナナぐらいの かたさにゆでた食材を 5㎜程の角切りにする。 〈後半〉
角切りのサイズを、赤ちゃんの 様子を見て徐々に大きくしていく。 |
〈前半〉
やわらかめの肉団子ぐらいのかたさの 食材を1㎝ほどの角切りにする。 〈後半〉
大きさや形を徐々に変える。 棒状の野菜や長く切ったトーストを 手で握り、前歯で噛み切って 食べる練習もする。 |
食品の固さ |
量の目安 | 10倍がゆ:小さじ1~大さじ4 豆腐:10g~25g にんじん:5g~10g |
7倍がゆ:50g~5倍がゆ 80g 鶏ひき肉:10g~15g にんじん:20g~30g + りんご:15g |
5倍がゆ:90g~軟飯 80g 肉(豚肉・牛肉など):15g にんじん:30g~40g + りんご:20g |
軟飯:80g~ご飯:80g 肉(牛・豚ひき肉など):15~20g にんじん:40~50g + りんご:20g |
量の目安 |
詳細は下にスクロール
離乳食初期(ゴックン期)
生後5~6ヶ月頃
回 数
1日1~2回
かたさと大きさ
<前半>
すりつぶすか裏ごしをしてお湯や野菜のゆで汁でのばし、なめらかなペースト状に。
<後半>
慣れてきたら少しずつ水分を減らし、ヨーグルトぐらいのかたさに。
1回の分量の目安
(最初に与える量~後半の量)
- 炭水化物
-
- 10倍がゆ 小さじ1~大さじ4
または - うどんがゆ 小さじ1~15g
または - パンがゆ 小さじ1~8枚切り1/4枚
- 10倍がゆ 小さじ1~大さじ4
- たんぱく質
-
- 豆腐 10g~25g
または - 卵黄 耳かき1杯分~小さじ1
または - 白身魚 3g~10g
- 豆腐 10g~25g
- ビタミン・ミネラル
-
- にんじん 5g~10g
または - かぼちゃ 5g~10g
または - ほうれん草 5g~10g
- にんじん 5g~10g
離乳食初期(生後5~6ヶ月頃)の
さらに詳しい情報はこちらから
離乳食中期(モグモグ期)
生後7~8ヶ月頃
回 数
1日2回
かたさと大きさ
<前半>
絹ごし豆腐ぐらいのかたさにゆで、食材の形が少し残る程度につぶす。
<後半>
かたさは前半と同じで、食材はつぶさず2~4mmに刻む。
1回の分量の目安
(前半の量~後半の量)
- 炭水化物
-
- 7倍がゆ 50g~5倍がゆ 80g
または - ゆでうどん 35g~45g
または - 食パン(8枚切り) 15g~20g
- 7倍がゆ 50g~5倍がゆ 80g
- たんぱく質
-
- 鶏ひき肉 10g~15g
または - 魚(鮭やまぐろなど) 10g~15g
または - 豆腐 30g~40g
または - 卵黄 1個分~全卵 1/3個分
- 鶏ひき肉 10g~15g
- ビタミン・ミネラル
-
- にんじん 20g~30g
または - かぼちゃ 20g~30g
または - ほうれん草 20g~30g
+ - バナナ 15g
または - りんご 15g
または - みかん 15g
- にんじん 20g~30g
離乳食中期(生後7~8ヶ月頃)の
さらに詳しい情報はこちらから
離乳食後期(カミカミ期)
生後9~11ヶ月頃
回 数
1日3回
かたさと大きさ
<前半>
歯茎でつぶせる、熟したバナナぐらいのかたさにゆでた食材を5㎜程の角切りにする。
<後半>
角切りのサイズを、赤ちゃんの様子を見て徐々に大きくしていく。
1回の分量の目安
- 炭水化物
-
- 5倍がゆ 90g~軟飯 80g
または - ゆでうどん 60g~75g
または - 食パン(8枚切り) 25g~30g
- 5倍がゆ 90g~軟飯 80g
- たんぱく質
-
- 肉(豚肉・牛肉など) 15g
または - 魚(さば・ぶりなど) 15g
または - 豆腐 45g
または - 全卵 1/2個分
- 肉(豚肉・牛肉など) 15g
- ビタミン・ミネラル
-
- にんじん 30g~40g
または - かぼちゃ 30g~40g
または - ほうれん草 30g~40g
+ - バナナ 20g
または - りんご 20g
または - みかん 20g
- にんじん 30g~40g
離乳食後期(生後9~11ヶ月頃)の
さらに詳しい情報はこちらから
離乳食完了期(パクパク期)
生後12~18ヶ月頃
回 数
1日3回+間食
かたさと大きさ
<前半>
やわらかめの肉団子ぐらいのかたさの食材を1㎝ほどの角切りにする。
<後半>
大きさや形を徐々に変える。棒状の野菜や長く切ったトーストを手で握り、前歯で噛み切って食べる練習もする。
1回の分量の目安
- 炭水化物
-
- 軟飯 80g~ご飯 80g
または - ゆでうどん 90g
または - 食パン(8枚切り) 35~40g
- 軟飯 80g~ご飯 80g
- たんぱく質
-
- 肉(牛・豚ひき肉など) 15~20g
または - 魚(さばなど) 15~20g
または - 豆腐 50~55g
または - 全卵 1/2~2/3個分
- 肉(牛・豚ひき肉など) 15~20g
- ビタミン・ミネラル
-
- にんじん 40~50g
または - かぼちゃ 40g~50g
または - ほうれん草 40g~50g
+ - バナナ 20g
または - りんご 20g
または - みかん 20g
- にんじん 40~50g
離乳食完了期(生後12~18ヶ月頃)の
さらに詳しい情報はこちらから
はじめての離乳食、
注意点や気をつけることは?
いろいろと心配なことが多い、はじめての離乳食。まずは基本の注意点やルールを知って、赤ちゃんの体に負担をかけないように進めてあげましょう。
- はじめての食材は単品で少しずつ、
病院を受診できる時間に - 具合が悪くなったとき原因が特定できるよう、はじめて食べさせる食材は「少量を加熱して、1種類ずつ」と覚えておきましょう。特にアレルギーの原因になりやすい卵、牛乳、小麦などは慎重に。もしも症状が出てもすぐ診てもらえるよう、はじめての食材は病院が開いている時間に試してください。
- はちみつ、黒糖、生もの、
ナッツ類などNG食材を知っておく - 赤ちゃんには食べさせてはいけない食材があります。まず餅や団子、こんにゃくゼリーなど、喉に詰まらせやすい食材。それから、かたすぎて噛みくだけないナッツ類。はちみつや黒糖はボツリヌス菌が混入していることがあるので、抵抗力の弱い1歳未満には食べさせないでください。生ものも食中毒や下痢の危険性があるので食べさせないようにしましょう。
- 細菌に弱いので衛生面に注意
- 免疫力の弱い赤ちゃんを食中毒から守るため、衛生面に気をつけましょう。調理は清潔な手で行い、まな板は加熱前用と加熱後用に分けます。食器や調理器具は使用したら必ず洗剤で洗い、煮沸したり熱湯をかけたりして消毒をしてください。そして食材は、十分加熱して食べさせましょう。
- たんぱく質のとりすぎに気をつける
- 赤ちゃんは、たんぱく質を分解する消化吸収機能が未発達。十分に消化できていないたんぱく質が血中に入ると「異物」とみなされ、食物アレルギーの原因になってしまいます。またたんぱく質をとりすぎると肝臓にも負担をかけます。ただ成長に欠かせない栄養素でもあるので、むやみに減らさず適切な量を食べさせましょう。
- 脂質は少量に抑える
- 未発達な赤ちゃんの胃腸にとって、最も消化しにくいのが脂質。離乳食には最初は油を使わず、生後9~11ヶ月頃から少しずつ使います。調理に使う油だけでなく、脂質の多い食材やパン・加工食品に含まれる油脂にも注意。ただし成長に必要な栄養素でもあるので、食品からとれる脂質を中心に適切な量を与えましょう。
- 大人用のものや
濃い味のものは食べさせない - 塩分のとりすぎは赤ちゃんの体に負担になります。離乳食は味つけなしから始め、生後9ヶ月頃になってからごく薄く味つけします。完了期でも味つけは大人の半分程度が目安。また「赤ちゃん用」ではない市販のお菓子などにも注意してください。糖分、油分が多く、添加物が含まれるものは食べさせないようにしましょう。
離乳食作りのために、
準備した方がいいものは?
すりつぶしたり、裏ごしをしたり、作るのにひと手間かかる離乳食。普段はあまりしないような調理も必要になるので、始める前に下のようなグッズを用意しておくと便利です。
- 裏ごし器
- 初期のペーストメニューに使います。小さめのざるでも代用できます。
- すり鉢・すりこぎ棒
- 初期の離乳食で食材をすりつぶすのに使います。小さめのものが使いやすくおすすめです。
- おろし器
- 食材をすりおろすのに使います。色移りしにくく耐熱性があるセラミック製が便利。
- ハンドブレンダー
- ペースト作りをすばやくでき、刃を変えれば成長に合わせて砕く粗さも調節できます。
- 軽量カップ、計量スプーン
- 離乳食は量が少ないので、計量スプーンは大さじ、小さじの他、小さじ1/2や1/4もあると便利です。
- 茶こし
- しらす干しの湯通しや、納豆の粘り取りのときに活躍。裏ごしにも使えます。
離乳食調理セットがあれば、
使いやすいサイズで
いろいろできる!
離乳食作りに特化した市販のセットなら、裏ごし器やすり鉢、おろし器、ジューサーなど、離乳食調理に欠かせない作業がすべてできて便利。重ねてコンパクトに収納できるのも長所です。
アカチャンホンポでもいろいろな
離乳食調理セットを販売しています。
全国のアカチャンホンポ各店、
またはOnline Shopで
ぜひチェックしてみてください。
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COLUMN
先輩ママ2,433人に
聞きました!
はじめての離乳食作りに
役立ったキッチングッズは?
役立ったもので一番人気が高かったのは、すり鉢とすりこぎ棒。初期の離乳食作りに欠かせないアイテムです。そして2位は、離乳食調理器セットという結果に。一つあればいろいろな調理ができるので、準備しておくと安心ですね。
はじめての離乳食作りに
役立ったキッチングッズ
- すり鉢・すりこぎ棒25%
- 離乳食の調理器セット22%
- ハンドブレンダー20%
- おかゆクッカー15%
- ミルクパン9%
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