9~11ヶ月頃:カミカミ期
食材は何を食べさせる?
量やかたさは?
管理栄養士
中村美穂先生 監修
いよいよ離乳食は1日3回に。ママ・パパは食事の準備も大変ですが、食材の幅もさらに広がるので大人の食事からのとりわけもしやすくなります。味つけややわらかさなど、後期の離乳食はどんなところに気をつければよいのかご紹介します。
監修いただいた先生のご紹介
管理栄養士
中村美穂先生 監修
管理栄養士、料理家、フードコーディネーター、国際薬膳調理師、プラントベースフードアドバイザー。保育園栄養士として乳幼児の食事作りや食育活動、地域の子育て支援事業に携わる。2009年に独立し、料理教室を開催。離乳食教室、食育講座の講師のほか、書籍・雑誌・WEB記事、生協カタログ等へのレシピ提供、監修を多数担当。著書・監修に『きちんとかんたん離乳食』『365日マネするだけ離乳食 離乳食はこの1冊でまるごと解決!』など。
オフィシャルサイトはコチラ 離乳食後期って、いつから?
目安は?
生後9ヶ月頃~11ヶ月頃までの期間を離乳食後期といいます。「1日2回の離乳食が安定して食べられるようになっている」「絹ごし豆腐ぐらいのかたさを舌でつぶして食べられる」「1回の食事の量を合わせると、子ども茶碗半分ぐらいが食べられる」などを目安に、後期の離乳食に移行しましょう。
この頃になると赤ちゃんは手先が器用になり、手づかみで食べたりコップやお椀を持ってお茶やスープを飲む練習もできるようになります。自分でやりたい気持ちも強くなるので、食事も少しずつ自分で食べられるようにサポートしていきましょう。
離乳食後期・
カミカミ期(9~11ヶ月頃)は
何が食べられるの?
栄養バランスはどうすればいい?
この時期になると食べられる素材もますます増え、たんぱく質では豚肉、牛肉のほか、青魚もあげられるように。油やバター、塩、砂糖、しょうゆ、味噌などの調味料も、ごく少量ですが使えるようになります。栄養の割合は、離乳食:母乳・ミルクで6:4~7:3ぐらいになってきて、離乳食の栄養がメインになってきます。メニューは主食+主菜+副菜の3品を心がけると、栄養のバランスがとりやすくなります。鉄分不足も気になる時期なので、レバー、まぐろ、大豆、青菜、海藻など、鉄分の多い食材を積極的に取り入れるようにしましょう。
離乳食後期・
カミカミ期(9~11ヶ月頃)の
離乳食の進め方は?
量や種類はどうやって増やしていくの?
離乳食後期になると、離乳食は1日3回になります。一気にいろいろとステップアップさせると赤ちゃんが慣れなくて大変なので、まずは今までと同じ内容を3回食にしましょう。その後、少しずつ形やかたさ、量、食材の種類を変化させていくのがおすすめです。
タイムスケジュール例
- 時 間
- 離乳食と母乳(ミルク)
1日
3回 - 5:00
- 6:00
- 7:00
- 8:00
- 9:00
- 10:00
-
1回目 初めての食材は、基本的に1回目に。10時頃までに1回目を食べないと、1日3回食のリズムがつきにくくなります。
- 11:00
- 12:00
- 13:00
- 14:00
-
2回目
- 15:00
- 16:00
- 17:00
- 18:00
-
3回目 昼・夜、どちらか新たに3回食を始めた時間帯は、食べ慣れた食材を1/3ぐらいの量から。
- 19:00
- 20:00
- 21:00
- 22:00
- 23:00
- 24:00
COLUMN
先輩ママ648人に
聞きました!
離乳食期の
水分補給について教えて!
母乳やミルクで水分補給も兼ねていた赤ちゃんですが、離乳食がメインになると「飲み物」も必要になってきます。先輩ママ・パパたちは、どんなときに、どんなものを飲ませていたのかをご紹介します。
赤ちゃん(生後6ヶ月~1歳半頃
まで)への水分補給は、
主にどんな時にしましたか?
-
1位
お風呂上がり
564票
-
2位
食事中
538票
-
3位
外出中
477票
-
4位
汗を描いた時
425票
-
5位
起きた時
421票
回答数=648(複数回答)
赤ちゃん(生後6ヶ月~1歳半頃
まで)への水分補給として、
主に何を飲ませましたか?
-
1位
ノンカフェインのお茶
571票
麦茶やほうじ茶など、赤ちゃん用にノンカフェインのお茶を用意してあげましょう。
-
2位
白湯・湯冷まし
236票
白湯は飲める温度まで冷ましたお湯、湯冷ましはお湯に水を混ぜて温度を下げたもの。飲ませてあげる時はママの肌に垂らして温度を確認してくださいね。
-
3位
フォローアップミルク
143票
フォローアップミルクは、離乳食で不足する栄養素を補うためのもの。鉄分やカルシウム、ミネラルなどを強化した栄養分が豊富に含まれています。
-
4位
赤ちゃん用イオン飲料
105票
-
4位
赤ちゃん用果汁
105票
回答数=648(複数回答)
他にも先輩ママ・パパのリアルな声がいっぱい
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主食(炭水化物)は何が食べられる?
量ややわらかさは?味つけは?
離乳食後期に食べられる炭水化物はますます固形に近づき、おかゆは5倍がゆ、うどんはやわらかくゆでたもの、パンはそのままで食べられるようになります。パスタ、ホットケーキミックスなども使えます。やわらかさは、赤ちゃんが歯ぐきでつぶせるよう、指で押すとすぐつぶれるぐらいを目安にしましょう。味つけはしなくても食べるならそのままでOK。味つけした方がよく食べる場合は、だし汁や野菜スープの他、味噌、しょうゆ、塩、砂糖などもごく少量なら使えます。使う調味料は、なるべく自然な製法のものを選んでください。
量の目安(前半の量~後半の量)
おかゆ
前半
5倍がゆ 90g
後半
軟飯 80g
または
ゆでうどん
前半
60g
後半
75g
または
食パン(8枚切り)
前半
25g
後半
30g
※分量は目安です。個人差があるので
量はお子様に合わせて調整してください。
5倍がゆの作り方
- 【材料(作りやすい分量)】
-
- 炊いたご飯…120g
- 水…300ml
- 【作り方】
-
- ①深めの鍋にご飯と水を入れ、ヘラなどでご飯をバラバラにほぐす。
- ②強火にかけ、煮立ったら弱火でふたをして15~20分煮る。焦げ付かないようときどきヘラで底から混ぜる。
- ③火を止めてふたをしたまま15~20分蒸らす。
- ※米から炊く場合は、まず米をといでから米:水=1:5の量を鍋に入れて20分ほどそのまま置いて浸水させ、②の煮る工程を40分にします。
うどんのゆで方
- 【材料(作りやすい分量)】
-
- ゆでうどん…1/3玉
- 【作り方】
-
- ①うどんを1~2cmの長さに切り、鍋にたっぷりの水(分量外)と入れて強火にかける。
- ②沸騰したら弱火でふたをし、やわらかくなるまでゆでる。やわらかさの目安は大人が指で押すとすぐつぶれるぐらい。
- ③うどんをざるに上げて水気を切る。
おかず(主菜・たんぱく質)は
何が食べられる?
量ややわらかさ、味つけは?
離乳食後期には、中期の食材に加えて豚や牛の赤身、レバー、さんまやいわしなどの青魚も食べられるようになります。ただし青魚はアレルギーに注意し、必ず少量から試すようにしましょう。肉類はゆでて細かいみじん切りにし、飲み込みやすい食材に混ぜたり、あんかけにします。魚はゆでて皮と骨を取り除き、細かくほぐして飲み込みにくそうならとろみをつけます。卵は白身も使えるので、ゆで卵を細かく刻んだり、溶いた卵を卵焼きにしたりして食べさせましょう。味つけはだし汁や野菜スープの他、味噌、しょうゆ、塩、砂糖などもごく少量なら使えます。
量の目安
肉(豚肉・牛肉など)15g
豚肉
or
牛肉
または
魚(さば・ぶりなど)15g
さば
or
ぶり
または
豆腐 45g
または
全卵 1/2個分
※分量は目安です。個人差があるので
量はお子様に合わせて調整してください。
副菜(野菜・果物)は
何が食べられる?
量ややわらかさ、味つけは?
離乳食後期には中期の野菜に加え、もやしなどのかみ切りにくいものや、ネギ、ニラなど繊維が多く苦みがあるもの、繊維の多いわかめやひじきなども食べられるようになります。果物は、キウイなど繊維が多く酸味があるものも食べられるようになってきます。野菜は火が通りやすい大きさに切ってから、歯ぐきでつぶせるぐらいのやわらかさにゆで、5mm大に切ります。バナナ・いちごはそのまま5mm大に切り、りんごはゆでて5mm大に切ります。みかんは薄皮まで取り除いて5mm大に切るか、手で小さくほぐします。野菜の味つけはだし汁や野菜スープの他、味噌、しょうゆ、塩、砂糖などもごく少量なら使えます。
量の目安(前半の量~後半の量)
にんじん
前半
30g
後半
40g
または
かぼちゃ
前半
30g
後半
40g
または
ほうれん草
前半
30g
後半
40g
バナナ
20g
または
りんご
20g
または
みかん
20g
※分量は目安です。個人差があるので
量はお子様に合わせて調整してください。
離乳食後期の離乳食の食べさせ方は?
手づかみ食べが始まったらどうする?
そろそろ手づかみで食べる練習を始める時期。ゆで野菜やトーストなど、歯ぐきでかみつぶせるやわらかさの食材を、手づかみしやすい形にしてあげましょう。赤ちゃんがつかみやすいよう、平らなお皿に少しずつのせてあげます。はじめは大人が手伝い、自分で食べられたときはほめてあげてください。まわりを汚してしまっても怒らず、赤ちゃんの自分で食べたい意欲を大切にしてあげましょう。
COLUMN
離乳食後期・カミカミ期
(9~11ヶ月頃)の おすすめ離乳食レシピ
離乳食後期(9〜11ヶ月頃)前半
主食トーストパン
- 【材料】
-
- 食パン(8枚切り・耳なし)…1/2~2/3枚
- 【作り方】
-
- ①食パンを1cm×4cmほどのスティック状に切る。
- ②アルミホイルにのせ、トースターで表面を焼く。
主菜鮭とほうれん草のクリームコーン煮
- 【材料】
-
- 生鮭(皮・骨を除く)…15g(そぎ切り1と1/2枚)
- ほうれん草(葉先)…10g(4枚)
- 玉ねぎ…10g(厚さ1cmのくし形切り1つ分)
A
- 裏ごしクリームコーン缶…大さじ1
- 牛乳…大さじ1
- 水(または野菜スープ)…大さじ1
- 片栗粉…小さじ1/4
- 【作り方】
-
- ①鍋に湯を沸騰させ、玉ねぎと生鮭をゆでてとり出す。
- ②ほうれん草もゆでて水にさらし、水気をしぼる。
- ③ゆでた玉ねぎとほうれん草を粗みじん切りにし、鮭は小骨を取り除いて5mm~1cm大にほぐす。
- ④耐熱容器で③とAを混ぜ、ラップをふんわりかけて電子レンジで約1分加熱する。
副菜トマトゼリー
- 【材料(作りやすい分量)】
-
- トマト…30g(1/4個)
- 粉ゼラチン…小さじ1/2
- 水(または野菜スープ)…大さじ2
- 砂糖…小さじ1/4
- 【作り方】
-
- ①トマトの皮を湯むきし、種を除いて5mm角に切る。
- ②粉ゼラチンに小さじ1の水(分量外)を混ぜ、3分ほど置いておく。
- ③耐熱容器に水(または野菜スープ)と砂糖を入れ、電子レンジで30秒ほど加熱。
②のふやかしたゼラチンを混ぜる。 - ④器に①のトマトを入れ、③を注ぐ。
冷蔵庫で約1時間冷やし固める。
離乳食後期(9〜11ヶ月頃)後半
主食さんまの塩焼きのせがゆ
- 【材料】
-
- 5倍がゆ…80~90g
- さんま…15g(1/8尾・焼く際は1尾丸ごと焼く)
- 焼きのり…3cm四方
- しょうゆ…少々
- 【作り方】
-
- ①さんまの頭をキッチンばさみで切る。続いて腹部をはさみで切り、内臓を取って水洗いする。
- ※さんまは下処理済のもの(3枚おろし)や刺身用を使えばこの工程は必要ありません
- ②①を半分に切ってアルミホイルにのせ、魚焼きグリルかトースターで約10分、火が通るまで焼く。
- ③②が冷めたら皮を取り除く。骨の少ない背側の身を取って小骨を取り除き、小さくほぐす。
- ④5倍がゆに小さくちぎった焼きのりをのせ、③にしょうゆをまぶしてのせる。
主菜肉じゃが煮
- 【材料】
-
- 牛もも薄切り肉…8g(1枚)
- じゃがいも…20g(1/6個)
- にんじん…10g(厚さ5mmの輪切り1枚)
- 玉ねぎ…10g(厚さ1cmのくし形切り1つ分)
- 絹さや…1/2枚
- だし汁…100ml
- しょうゆ…少々
- 砂糖…少々
- 【作り方】
-
- ①じゃがいもは1cm角に切って水洗いする。水にさらしてアクを抜いたら水気を切る。
- ②にんじん、玉ねぎは5mm角に切る。
- ③小鍋に①②を入れ、だし汁で煮る。牛肉を加え、火が通ったらとり出して1cmの長さの細切りにし、鍋に戻す。
- ④絹さやの筋とヘタを取り、1cmの長さの千切りにして③に加える。
- ⑤③にしょうゆと砂糖を混ぜ、煮汁が少なくなるまで煮る。
副菜白菜のみそ汁
- 【材料】
-
- 白菜(葉先)…10g(10cm四方)
- だし汁…100ml
- みそ…小さじ1/6
- 【作り方】
-
- ①白菜を5mm角に刻み、だし汁で煮る。
- ②白菜がやわらかくなったら、みそを溶く。
- レシピ出典
- きちんとかんたん離乳食
- 著者
- 管理栄養士 中村美穂先生
- 出版社
- 赤ちゃんとママ社
離乳食後期・カミカミ期
(9~11ヶ月頃)に関する
-
食べ物を丸のみ
してしまう。
どうしたらいい? -
丸飲みできない大きさの、
やわらかい食材を
あげてみて。バナナなどのやわらかい食材を、大きめに切ってにぎらせ(大人が支えてあげてもOK)、前歯(歯ぐき)で適量をかじり取って食べる練習をします。モグモグとかめるよう声かけをしてあげましょう。歯ぐきでかめているか様子を見て、飲み込んでから次をあげるようにします。
-
たくさん食べすぎて
体重が標準より重いけど、
量を減らすべき? -
気にしすぎず、
ゆっくり食べさせる
工夫を。運動量が増えれば体つきも締まっていくので大丈夫。無理に制限することはありません。気になる場合は高カロリーなもの、味の濃いものはあげないようにし、野菜の量を増やしてゆっくり食べさせてあげるようにするのがおすすめです。
-
フォローアップミルクは
いつ頃から飲ませるの? -
栄養不足が
気になる場合に、
9ヶ月頃から。フォローアップミルクは栄養を補うものとして9ヶ月頃から飲ませられます。普通のミルクが残っている場合はそのまま飲ませても大丈夫ですが、鉄分などが補えるので栄養不足が心配な時に飲ませるといいでしょう。ただし、基本は食事から栄養をとることを心がけて。
-
食材を
変化させるのが大変。
ワンパターンでもいい? -
冷凍保存などを利用して、
無理なく変化をつけて。3回食になり、食べる量も頻度も多くなると離乳食を作るのも大変になってきます。なるべく食材の幅は広げていった方がいいので、冷凍保存して手間を省いたり、大人の食事から味つけ前にとりわけたりして変化をつけて。シンプルなメニューを何パターンか繰り返せばいいので、旬の素材や調理法、味つけなどで少しずつ変えていきましょう。
-
食事に落ち着きがなく、
集中してくれない! -
集中できる環境と、
短時間で食べられるよう
工夫を。まだこの時期は集中できなくても仕方ありませんが、少しでも食べてみようと気がむくよう、お腹がすくリズムを作り、おもちゃやテレビが目に入らない環境づくりなどを工夫しましょう。食事開始から20分ほど経っていて、気が散ってもう食べないようなら一旦食事をやめることでメリハリをつけてもOK。自分で食べるための手づかみ食べを練習し、短時間でもコンパクトに栄養がとれるメニューにするのもおすすめです。
-
魚やお肉が
苦手みたいで、
口から出してしまう… -
やわらかくなる
調理法にしたり、
とろみをつけて。たんぱく質は加熱によってかたくなりがちなので、やわらかくするために工夫をするといいでしょう。魚はムニエルや煮魚にするとやわらかくて食べやすくなります。またお肉は鶏肉を中心にし、豚・牛肉はひき肉に豆腐や野菜を加え、やわらかいハンバーグにしてみて。とろみをつけたり、おかゆやジャガイモと混ぜるのもおすすめです。
-
手づかみ食べ
させたいけど、食べ物に
手を伸ばそうとしない。 -
赤ちゃんの
気持ちを大切に、
焦らず待ってあげて。食べ物に積極的に手を伸ばす赤ちゃんも、そうでない赤ちゃんもいるので、自分から手を伸ばすまで待ってあげることが大切です。焦らずに明るく声かけをして、食べ物への興味を育ててあげましょう。
COLUMN
手作りを頑張りすぎなくても大丈夫! ベビーフードで
ラクするヒント
頑張って手作りしているのに赤ちゃんが食べてくれないと、離乳食作りに疲れてしまうことも。また、レシピだけではどんなやわらかさや味が正解なのかわからないこともあります。そんなときはベビーフードを活用してみましょう。
離乳食後期は、イワシやレバーなど、食べさせてみたいけれど家で調理するのが面倒な食材のベビーフードが便利。自分で作るときの味の参考にもなります。
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